モンゴルの草原に太陽光発電の誘蛾灯を設置

モンゴルの草原に太陽光発電の誘蛾灯を設置

 

研究サークル「ヒマラヤプロジェクト」

リーダー 渡部 朋世

(機械知能システム学科 3年)

 

モンゴルの活動

学生研究サークル「ヒマラヤプロジェクト」では、これまでネパールの山村に電気を灯すため太陽光発電装置を設置する活動を行ってきましたが、今年度からは、太陽光発電による誘蛾灯装置を製作し、モンゴルの草原に設置する活動に取り組んでいます。

 

このたび、9/13から9/24まで共同研究と学生交流を目的とした「モンゴル遠征」を行いました。今までネパールを活動の場としていた私たちにとって、この遠征計画は新しい挑戦でした。

 

モンゴルでは、はじめにウランバートルで学生交流として日本・モンゴル両国の学生が研究内容やこれまでの成果についてプレゼンテーションを行いました。

 

その後、モンゴルの学生とともに市街から130kmの農牧場へ行き、草原で誘蛾灯を用いた昆虫捕獲システムと太陽光発電システムの設置を行い、昆虫の調査や充放電の測定などを行いました。モンゴルの学生と共同で設置作業や測定実験を行うことができました。

 

現地で苦労した点はなんと言っても環境です。大陸性気候のモンゴルは日が落ちるととても寒くて、夜は寒さで何度も目を覚ましました。また食事も、限られた水と薪の火を使って自分たちで用意しなければなりませんでした。それでもメンバーの協力とモンゴルの方々のおかげで作業はスムーズに進み、日本で準備したことを十分に発揮することができたと感じています。

 

海外の学生と共同研究を行うと、違う文化や人々に触れることができます。モンゴルで感じたことはどれも刺激的で、素晴らしいものばかりでした。今回の遠征で計画し、感じ、学んだことと生かして、これからのモンゴルプロジェクトにつなげていきたいと思います。

 

 

※「誘蛾灯装置」の製作について 

 

コラムの中に紹介している「誘蛾灯装置」を製作については、自主研究活動で「モンゴル昆虫捕獲研究グループ」(研究名 クリーンエネルギーを用いた昆虫捕獲大作戦 )が装置の製作・研究を行っています。また、この研究グループは研究サークル「ヒマラヤプロジェクト」のメンバーの一員で、今回のモンゴル遠征に同行しています。

詳細については、下記の内容をご覧下さい。


 

モンゴル昆虫捕獲研究グループ

クリーンエネルギーを用いた昆虫捕獲大作戦

 

機械知能システム学科

船山昌徳 宮城県出身 多賀城高等学校卒業

三浦貴文 秋田県出身 本荘高等学校 卒業  

 西尾直起 愛知県出身 常滑北高等学校卒業 

 

◎研究の目的を教えてください自主研究

現在、モンゴルではバッタが大量発生することによって、農作物への被害や草原の砂漠化といった問題が引き起こされています。この問題をクリーンエネルギーを活用して環境にやさしく解決するために、太陽光や風力の発電装置と、人や環境への汚染の心配がない高電圧誘蛾灯捕虫システムとの構築を目的とした研究活動です。

 

◎研究の内容について教えてください。

2007年度は太陽光発電による誘蛾灯システムを製作し、試験段階ですがモンゴルに設置してきました。

誘蛾灯や太陽光パネルは、モンゴルの厳しい自然に耐えられるように耐久性が求められます。さらに日本からモンゴルへ運んだり現地で移動することを考えて、分解・再組み立てが可能でなくてはなりません。軽量でありながら必要かつ十分な強度を備えているか、などを考えながら設計製作しました。

また、夜間に誘蛾灯を自動点灯するための光センサスイッチや、発電した直流電流をバッテリーに充電したり、誘蛾灯用の交流100Vやモンゴルの家庭用交流200Vに変換するための制御回路を製作しました。モンゴル遠征前に、これらのシステムを大学のキャンパス内に設置して、耐久性と充放電の試験を行いました。

 

◎研究の楽しさ、やりがいは?

一番の楽しさは設計、製作、実験までの全てを自分達で実行する点です。最初から最後まで自分たちが作る中で、多くのトラブルが発生して苦労しましたがとてもやりがいがあります。研究内容でクリーンエネルギーを利用しているので、環境問題についても深く考えさせられます。

将来、設計開発の職業に就く上で非常に大切なことを学んでいると実感しています。