本学名誉教授が水文・水資源学会功績賞を受賞しました

 この度、本学の増本 隆夫名誉教授(前生物資源科学部教授・2025年3月末で定年退職)が、2025年度(令和7年度)の水文・水資源学会賞・功績賞を受賞しました。

 増本名誉教授は、長年にわたる水文・水資源学における高い研究業績に加え、学会運営への多大な貢献、さらには教育研究を通じた社会貢献など、その顕著な功績が広く認められました。表彰は、令和年9月18日にあきた芸術劇場ミルハスで開催された「水文・水資源学会2025年度研究発表会」にて行われました。
 

受賞理由

 受賞理由の紹介においては、環境農学が対象とする「灌漑排水学」、「農業水文学」、「水資源学」の3つの学術分野において、その共通課題である水循環と水管理に関する研究を幅広く展開し、数多くの研究論文・書籍の出版等を通して、水文・水資源学の進歩に大きく貢献するとともに、本学会の監事(18、19期)、副会長(16、17期)、表彰選考委員長(16期)、財務委員長(12期)、理事(9・10・13期)、2004年総会・研究発表会実行委員会幹事長(つくば・筑波大学)等を務められ、本学会の発展のために尽力された。

水文・水資源学会

 水文学や水資源学に係る領域の研究は、地球物理学、気象学、地質学、地理学、土木工学、農業工学、林学、砂防工学、衛生工学、人文科学など、従来の各学問分野で発展してきました。一方で、「水文・水資源学会」は、これらの体系を縦糸とし、横断的な研究組織の創設を企画し極めて多様な要素が関与する現象を構造的に把握するための学問体系として、1,000人を超える会員数のもと、もうすぐ40周年記念の年を迎える学術団体。

また、歴代の学会賞受賞者は、https://jshwr.org/wp-content/uploads/2025/09/award_winners_1994-2025.pdf、で見ることができます。
 


増本名誉教授の研究テーマと概要

 増本名誉教授は、「ほ場から流域規模の農地水利用と自然・人為的水循環変化」をテーマに研究を進めております。農業における水利用は、人為的な管理が行われることが大きな特徴ですが、それを定式化しモデル解析を行っています。加えて現代では、畑地転換、都市化等による土地利用変化、気候変動による両極端現象(洪水や渇水)の増大、高齢化等による水管理の粗放化、AI技術の導入など、大きな変化が引き起こされています。それらに伴う農地水利用の変化や対応策を検討する研究をほ場レベルから流域レベルで進めています。
 

(在職時)学生を研究指導する増本名誉教授