本学教員が日本水処理生物学会で学会賞と論文賞を同時受賞しました

  10月28日(木)~30日(日)にオンラインにより開催された「第57回日本水処理生物学会年会(神奈川大会)」において、生物環境科学科の 宮田 直幸 教授(生態工学研究室)が学会賞と論文賞を同時受賞しました。

 宮田教授はこれまで一貫して、水環境の金属元素循環に関与する微生物生態の解明や、生態系や微生物の機能を利用した水質浄化技術の開発などの研究を続けており、これらの研究業績が高く評価され、この度の学会賞と論文賞の同時受賞につながりました。

★受賞内容
・日本水処理生物学会第23回学会賞
・日本水処理生物学会第23回論文賞

★受賞論文
『八郎湖に生息するシジミ類の秋季におけるろ過速度と酸素消費速度,55巻 3号 p.59-65,2019年』

★研究概要要旨
・学会賞:日本水処理生物学会の発展に対する貢献が評価されての受賞
・論文賞:淡水二枚貝は植物プランクトンをろ過摂食するため、富栄養湖沼の水質浄化への適用が期待されています。本研究では、水温の低下する秋季に、ヤマトシジミとセタシジミがどの程度ろ過摂食能力をもつのか、秋田県八郎湖の湖水を用いて定量的に評価しました。酸素消費速度を測定し、水温7~11℃の条件でも二種のシジミ類がろ過活動を行い、懸濁物質を餌として代謝していることが明らかになりました。本研究の成果は、低水温期における二枚貝の適用可能性を示すもので、富栄養湖沼の水質浄化対策の提案につながると期待されます。

★宮田教授のコメント
 生態工学研究室では、これまでに秋田県八郎湖の環境改善や、鉱山廃水、埋立処分場浸出水など廃水の生物処理、廃棄物からの金属資源回収などの研究を推進してきました。また最近では地下油田の微生物利用の研究もスタートさせています。日々一丸となって取り組んでいる、研究室のスタッフ、卒業生も含めた学生の皆さんの地道な研究活動の成果が評価されたもので、研究室全体で受賞を分かち合いたいと思います。これを励みに、地域環境の課題解決を目指して、一層、研究成果の発信や社会還元に努めて参ります。
 

鉱山廃水処理施設での採水風景