本学研究グループがドローンを用いた上空の温室効果ガスの国内初観測に成功しました

 このたび、生物資源科学部の井上 誠 准教授(生物環境科学科、専門分野:気象学)らの大気観測・解析グループは、ドローンによる温室効果ガスの国内初観測に成功し、本研究グループによる論文が、国際学術誌「Atmosphere」に掲載されました。

★研究タイトル★
「Measuring Regional Atmospheric CO2 Concentrations in the Lower  Troposphere
  with a Non-Dispersive Infrared Analyzer Mounted on a  UAV, Ogata Village, Akita, Japan」

★研究内容★
 井上准教授らの研究グループは、温室効果ガスのひとつである二酸化炭素(CO2)の濃度分布の地域特徴を明らかにするため、ドローンに可搬型のCO2観測装置を搭載したシステムを開発し、大潟村の地上から上空500mまでのCO2濃度の鉛直分布データを取得することに、国内で初めて成功しました。
 これまで、上空の温室効果ガスの分布を知る方法には、気象観測用のタワーや気球、航空機による観測がありました。しかし、観測をするのに多くの費用がかかることや特定の地域の上空でしか観測できないといった課題がありました。  
 それに対し、井上准教授らの研究グループが開発したドローンによる観測システムは、比較的安価で手軽に飛行させることができ、測定したい場所を自由に設定できるため、高頻度で観測を行ったり、機体を複数台用意することにより同時に飛行観測を実施し、森林と都市域の濃度分布の違いを調査することが容易になります。今後は、森林・水田や都市部等、土地利用形態の異なる地域で観測を行うことで、温室効果ガスの地域的な発生要因などを明らかにできることが期待されます。

★研究体制(メンバー)★  その他、本学の千葉崇特任助教(大気・水圏環境学研究室)や国立環境研究所の森野 勇 主任研究員からも温室効果ガスの観測方法の助言などいただいております。

 10月18日(金)、本研究成果の成果発表として、ドローンによる温室効果ガス観測のデモンストレーションを実施いたしました。

★ドローンによる観測デモンストレーション★ 
   デモンストレーションの様子は、AKT秋田テレビ(LiveNewsあきた)でもご紹介されました。