本学学生の卒業論文が日本建築学会優秀卒業論文賞を受賞

 システム科学技術学部建築環境システム学科環境学講座に所属している大学院生・増田早也花さんの卒業論文「熱環境からみた冬期の居住性能に関する36年間の推移 -東北地方都市部における地域特性の分析-」が2019年度(第30回)日本建築学会の優秀卒業論文賞を受賞しました。

★研究室教員からのコメント★
 この論文では、東北地方のような寒冷地にある住宅の居住性能を、36年間という長期間の中でその推移を観察し、現状の様子を的確に捉えるという成果をあげています。特に、客観的な評価を得るために統計手法を駆使し、疫学分野で活用されつつあるマルチレベルモデルを用いて、暖房用エネルギー消費量や室温に影響する環境要因が分析されています。建築分野ではこのような分析例が少ないのですが、最終的に得られたマルチレベルモデルのクオリティーは非常に高く、説得力があります。
 本研究を通じて、現時点での住宅の居住性能のばらつきは非常に大きくなっていることが解明されました。特に、長期にわたる居住性能の推移の観察を踏まえて、東北地方では住宅の居住性能の底上げが不可欠であるとの知見は、極めて意義深いといえます。

 なお、表彰式は、2019年度日本建築学会大会[北陸]に併せて、2019年9月3日(火)に金沢工業大学にて開催されます。

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