【いつでも青春キャンパス】秋田の郷土食「カスベ煮」試食会を開催
初めての食感に驚きと笑顔が絶えない賑やかな試食会となりました シニア大学生の林順子さん(69歳)
令和8年1月21日(水)、秋田キャンパスの学生20人を対象に、郷土食の魅力を若い世代に伝える「カスベ」試食会が開催されました。この企画を実施したのは、シニア大学生として郷土食の研究に励む林順子さん(69歳)です。応用生物科学科の石川匡子教授(食品醸造研究グループ)の指導のもと、秋田の伝統的な食文化を次世代へつなぐ活動の一環として行われました。
「カスベ」とはエイのヒレを干したもので、秋田では古くから冬の保存食や祭事の御馳走として親しまれてきた郷土食です。しかし、食生活の変化とともに、若い世代が口にする機会は減少しています。今回の試食会は、学生たちが実際にカスベを味わうことで、秋田の食文化への理解を深めるとともに、調理法による嗜好性の違いを調査することを目的に実施されました。
提供されたのは、林さん、秋田県内の料理研究家および秋田市内の現役の板前さんの3者がそれぞれのレシピで丹精込めて作り上げた「カスベ煮」です。公平な評価を得るため、作り手を伏せた「ブラインド・テスト」形式でA~Cの皿に盛り付けられました。学生たちは真剣な表情で一皿ずつ口に運び、「硬さ」「甘さ」「おいしさ」などの項目で細かくアンケートに回答しました。
参加した1年生の中嶋柚佳さん(能代市出身)は、「カスベを食べるのは今回が初めて。独特のコリコリとした軟骨の食感が楽しくて、とてもおいしいです」と笑顔で感想を語ってくれました。 秋田県出身の学生であっても、家庭でカスベを食べる機会は少なくなっており、今回の試食会は新鮮な驚きを持って迎えられたようです。
【生涯学習プログラム『いつでも青春キャンパス』】
65歳以上の方を「シニア大学生」として1年間、本学で受け入れ、在学生と一緒に学習や研究、課外活動に取り組む生涯学習プログラムです。
驚きの新食感!郷土の味『カスベ煮』に学生たちが舌鼓
真剣な表情で一皿ずつ口に運び評価
お祭り、お盆、お正月に食べられる伝統的な郷土料理
地元の土崎港曳山祭りでも親しまれています♪
郷土食の奥深さ実感、実り多き試食会となりました
石川匡子先生のコメント
秋田には、各地域に根ざした多様な郷土食が今も伝えられています。しかし近年では、家庭内での調理機会の減少や食材の入手環境の変化、嗜好の多様化などにより、郷土食を調理したり口にしたりする機会が少なくなってきていると言われています。林さんは入学当初、「郷土食の作り方やおいしさを知っている人が少なくなっているのではないか。ぜひ調べてみたい」と話されていました。私自身も、秋田県から発行された郷土食に関する出版物を通して、その保存や継承の重要性を感じていたことから、研究テーマや調査方法について一緒に検討するところから研究が始まりました。林さんはとてもフットワークが軽く、さまざまなことに関心を持ちながら、計画的に研究を進めていく姿勢が印象的でした。研究で取り上げられた郷土食の中には、指導教員である私にとっても新たな発見となるものがあり、本研究を通して郷土食の魅力を改めて実感する機会となりました。現在は、便利でおいしい加工食品が手軽に入手でき、私たちの食生活は豊かになっています。その一方で、郷土食は地域に根ざした日本の大切な食文化でもあります。本研究は、そうした郷土食の価値を再認識し、今後も受け継いでいくことの重要性を示すものとなりました。
林さんを指導する石川匡子教授
秋田の伝統調味料しょっつる(魚醤)工場も見学!

