【いつでも青春キャンパス】シニア大学生最終報告/卒業式・入学式&若宮正子さん講演会を開催

 令和6年5月8日(水)、あきた芸術劇場ミルハスにおいて、本学と秋田魁新報社が県民の生涯学習支援と地域活性化、健康寿命の延伸を目指し連携・展開する生涯学習プログラム『いつでも青春キャンパス』で学ぶシニア大学生の最終報告会、1期生卒業式と2期生入学式、および「世界最高齢のアプリ開発者」として知られる若宮正子さん(89歳)を講師にお迎えし、「語り合おう人生100年時代」と題しての講話とトークセッションを開催しました。

 なお、本事業には特別協賛として、株式会社アイネックス様、株式会社JAWA様、協賛として、株式会社秋田ケーブルテレビ様から多大な御支援をいただきました。この場を借りて厚く御礼を申し上げます。なお、当日の模様は、秋田ケーブルテレビにて放映するとともに、本学公式You Tube(AkitaPrefecturalUniv)でもダイジェスト版を配信する予定です。

シニア大学生によるキャンパスライフ最終報告会

 卒業生14人がこれまで取り組んできた研究や学習の成果、サークル活動の報告、キャンパスライフの思い出などについて発表しました。当日は、研究を指導した教員のほか、ご家族ご友人など多くの方にご来場いただき活気のある発表会となりました。シニア大学生は、この日のために何度もプレゼン練習を重ねてきただけあり、緊張することもなくその成果を存分に発揮し全員スムーズに発表を終えることができました。
 シニア学生からは、「仲間たちとの出会いや大学で過ごした時間は一生の財産になった」「知らなかったことを知る喜び、学ぶ喜びを感じた」「ここからが学びのスタートのつもりで新たなことに挑戦したい」などといった声が聞かれ、1年間の学生生活の充実ぶりが窺えました。
 
【主な発表タイトル】
発酵食品利用を目指した秋田県内の生物資源の探索 / 見直そう江戸のエコライフ / ファンシーな野菜栽培と成分分析
ハーブのリラクゼーション効果と分析 / 農村地域における公共施設を活用した社会貢献型事業の特質と課題
培養技術に基づく環境からの新規微生物資源の獲得 / 豪雪地域における積雪のセンシングに関する検討
布製品の⾃動開閉を利⽤した⾃動コスプレ / 自分好みの理想のコーヒーの条件 / 森の落ち葉が土に還るとき
文化論的な観点からの稲わら縄利用の今日的な意義と普及可能性の展望 / 枝豆の間引きによる収量の違い
 

1期生卒業式

 1年間の学生生活を終えられた1期生66歳から76歳の14人が一人ずつ呼名され、福田裕穂学長から卒業証書が授与されました。その後、卒業生を代表して、 岩間錬治さん(68歳)が「自主研究では、培養技術に基づく環境からの新規微生物資源の獲得をテーマに研究に取り組みました。普段目にすることもない実験器具や設備を使うことができ、ワクワクの連続で長年の夢が叶いました。本音を申せば、もし留年制度があるならば喜んで落第したいくらいですが、潔く2期生にバトンタッチしていきます。今後は卒業生として、学びの心、挑戦する心を失わずに、笑顔で過ごしていきます。」と代表挨拶を述べました。福田学長からは、「皆さんは見事に団結力を発揮して、若い学生たちを巻き込みながら秋田県立大学に新風を吹き込みました。大学は多様な人が集う場であり、シニア学生には重要な一翼を担っていただきました。本プログラムは再スタートのプログラムでもある。この1年は新しい学びを通して、次への目標に向かうための時間であり、皆さんは人生の再スタートに立ったと思います。本学での学びをもう一度社会に還元すべく、今後もイキイキと過ごしてほしい。」とお祝いの挨拶がありました。
 

1期生卒業生14人

卒業証書授与 加納 琴子さん(68歳)

卒業証書授与 中川 兼博さん(73歳)

卒業生代表挨拶 岩間錬治さん(68歳)

福田裕穂学長からお祝いのことば

アカペラ 阿部孝 志さん(66歳)

アンサンブル 小松 正孝さん(70歳)

竿燈会 伊藤 晴美さん(67歳)

2期生入学式

 今回入学した2期生は、4月2日に実施した入学試験(国語・理科・時事問題、面接)を突破した、65歳から76歳の15人です。式では、福田裕穂学長から一人ずつ入学証書を受け取り、シニア大学生として新たなスタートを切りました。シニア学生は、1年後の来年5月に予定している成果報告会に向け研究に取り組むほか、学生と共に講義を受けたり、サークル活動に参加したりといったキャンパスライフを送りします。

 2期生は、「1期生の活躍ぶりを見習い一生懸命研究したい」「肥料や植物の病気、有機農業について勉強したい」「人生の大きな挑戦。大きく成長したい」「ずっと憧れていた大学生になれて感無量。微生物など未知の分野に触れたい」「雪国ならではの課題解決を目指したい」「学生のエネルギーを自分の力に変えて、充実した時間を過ごしたい」と学生生活の意気込みを1分間スピーチで熱く語りました。

2期生入学生15人

入学証書授与 佐々木 裕子さん(68歳)

菅原 文夫さん(73歳)

大学生活の抱負をスピーチ 大坂 真一さん(70歳)

若宮正子さん講演会、トークセッション

 「世界最高齢のアプリ開発者」として知られる若宮正子さん(89歳)を講師にお迎えし、「人生100年時代をどう生きるか」と題してご講話いただきました。現在89歳の若宮さんは、定年退職後にパソコンを始め、独学でプログラミングに挑戦、81歳のとき、iPhoneのアプリ「hinadan」を開発、Apple社に評価され「世界最高齢のアプリ開発者」として紹介されました。現在は、国連等のイベントで講演したり、デジタル庁デジタル社会構想会議構成員を務めたりするなど、多彩な活動を展開しています。

 若宮さんからは、これまでの自身の人生を振り返りながら、生涯を通じた学びや新しいものを生み出す力の重要性、健康でイキイキと暮らすためのヒントなどについてユーモアを交えてお話をいただき、聴講した約520人は熱心に耳を傾けました。「とにかく人生100年時代、まずは勉強しましょう。現役世代の負担を減らすためにも、高齢者が積極的に新しいことにチャレンジして学び続けることが何より大切。スマートフォンは、生活の利便性が上がるため積極的に活用しましょう。また、AI(人口知能)を使った学習は高齢者の学びに効果的。シニアこそデジタル技術に親しむことが必要!!周りの目は気にせず生涯を通じて学び続け、創造的に生きていこう。」と呼びかけました。

 人生100年時代、本講演会を通して、何歳になっても新しいことに挑戦することの大切さや生きることの素晴らしさを感じていただけましたら幸いです。
 

世界最高齢アプリ開発者 若宮 正子 さん

ユーモア溢れる軽快なトークで聴講者を魅了しました