第60回東北畜産学会大会で「奨励賞」を受賞!!

大学院生物資源科学研究科修士課程の
修了生が東北畜産学会奨励賞を受賞!


大学院生物資源科学研究科修士課程修了(平成22年3月修了、生物化学研究室)の細井勇輔氏は、平成22年8月29、30日に岩手県盛岡市で開催された第60回東北畜産学会大会の総会において「奨励賞」を受賞し、表彰されました。

東北畜産学会は、畜産に関する学術の進歩を図り、併せて東北地域における畜産業と畜産技術の発展に寄与することを目的としています。最近は、優秀な家畜を大量に生産することができる受精卵移植技術や体細胞クローン家畜の作出技術の進歩にあわせて、先端的な動物バイオテクノロジー(ウシプリオン病のモデル実験系の開発、哺乳動物における新たな内分泌制御機構に関する研究など)の研究も行われています。

本賞は学生・社会人の区別無く、優れた研究業績を挙げた大学・国・県に所属する35才以下の若手研究者に授与されます。これまでに細井氏は、東北畜産学会大会において筆頭著者として2題の研究発表を行い、そのうち平成20年度大会では優秀発表賞を受賞しました(本コラムバックナンバー08.09.30参照 )。さらに、東北畜産学会報(2010年第60号)に筆頭著者として原著論文も発表しました。これらの研究業績が高く評価され、この度の奨励賞受賞につながりました。受賞研究課題は、「マウス胚盤胞からの栄養膜幹細胞株および胚体外内胚葉細胞株の樹立と遺伝子発現解析」です。

栄養膜幹細胞(胎盤幹細胞)と胚体外内胚葉細胞(卵黄嚢幹細胞)は、ES細胞(胚性幹細胞)と同様に哺乳動物の受精卵から作製される細胞です。どちらの細胞もES細胞とは異なる細胞分化能を持ち、また妊娠の成立や維持に重要な細胞群に変化することが出来ます。また、哺乳動物の発生学研究にも非常に有用ですが、作製例が少なく入手が困難でした。細井氏はマウス受精卵から栄養膜幹細胞と胚体外内胚葉細胞ともに作製することに成功し、またそれぞれの細胞における詳細な遺伝子発現解析を行いました。この研究成果により、栄養膜幹細胞と胚体外内胚葉細胞を用いた新たな哺乳動物発生学の研究を展開できるようになりました。現在、研究グループでは細井氏の研究成果を発展させ、栄養膜幹細胞・胚体外内胚葉細胞を家畜の妊娠補助細胞として利用する研究にも着手するなど、畜産領域への応用を見据えた研究が進められています。


 表彰状 細井勇輔氏
 びっくりするほど立派な表彰状
(研究グループの後輩大学院生と)
 細井勇輔氏 近影



研究グループのホームページは こちらから
http://www.akita-pu.ac.jp/bioresource/dbt/biochem/makoba/index.html