生物機能科学専攻の院生が若手奨励賞受賞!

「第41回日本栄養・食糧学会東北支部大会」若手奨励賞受賞!

 

氏 名:岡田真理子

専 攻:生物機能科学専攻

研究名:クラブアップル果実エキスが示す前駆脂肪細胞に対する

 脂肪蓄積抑制活性の研究

受賞名:若手奨励賞

(一般講演で発表を行った学生・院生・博士研究員が対象、1名のみ)

 

●研究内容について授賞式

クラブアップルは主に観賞用として用いられているリンゴ(約15 cm程度)で、700種以上の品種・系統が存在します。果実は食用となりますが食味ではリンゴに劣り、食物繊維が豊富です。当講座の研究によりこれまで、クラブアップル果実エキスがマウスの脂肪細胞に対して脂肪蓄積抑制活性を示すこと、総ポリフェノール量がリンゴ果実の約10倍であることがわかりました。そこで、本研究ではポリフェノールに着目してさらなる研究を行なっています。ポリフェノールといっても様々な種類があるので、どのようなものが活性を示しているのかを解明するために、果実エキスから成分を単離して構造を決定しています。また、成分の構造と抑制活性の強さの相関関係や細胞に対する作用の仕方も調査しています。さらに、活性成分を多く含む品種の作出につなげる目的で、約60種類のクラブアップルについて活性成分含量を測定して品種・系統間で比較するなどしています。

 

大変だったところ、面白かったところ

果実エキスを作製し、そこから成分を単離して構造を決定するという一連の流れが、最も大変な部分です。果実中に含まれている成分はわずかな量しかなく、大量の果実を処理してエキスを作製するのでかなりの体力がいります。また、目的とする成分のみを単離するための条件や分け方をうまく設定するために、職人技のような勘が必要になることもありますし、単離した成分の構造も何回も組み立てなおして決まるので根気強さが求められます。この工程は、とにかく本当に大変で困難なのですが、それゆえコツがわかって慣れてくると、自分なりの法則も見つかり次第におもしろくなっていきました。

 

研究のやりがい、楽しさ

頭の中で考えて予想していたことが、実際に目に見える結果として現れたときや思わぬ結果を得られたときは楽しいですし、一番やりがいを感じます。そこからまた、新たな可能性を広げていくことができるのも魅力的なところだと思います。

 

受賞して…

若手奨励賞は今回初めて創設された賞で、記念すべき第1回目の受賞者に選ばれたことを、とても光栄に思っております。また、今後の研究活動においてよい刺激となりました。

この研究を始めてまだ3年ですが、いろいろと大変なこともあり、正直このままでいいのかと悩むことありました。しかし、それでもめげずに吉澤先生のご指導の下でやってきて本当によかったと、心底思いました。地道にこつこつと一所懸命に取り組んでいけば、誰か見ている人がいて、いつかは評価していただけるのだと感じました。

研究をされている方が大勢いる中で、このような賞をいただける機会はごく稀だと思いますので、これを励みにまた貢献していけるような結果を出せるように、取り組んでいきたいと思います。

 

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