卒業生インタビュー(小野寺 理騎 氏)

平成21年卒業
秋田県立大学生物資源科学部アグリビジネス学科1期生
小野寺 理騎
株式会社Replow 代表取締役

 小野寺氏は卒業後、JAや米の通販企業にて、産地の新規開拓や販売促進に関する事業を担当されました。その他、お米の食育イベントや輸出事業、お米コンテスト企画などの企画を多数手がけられ、2020年に独立し株式会社Replowを設立。現在は、全国各地を周り美味しいお米を作る生産者を発掘し、売り上げ拡大へ向けた支援する傍ら、複数社のネット通販事業部において事業拡大・売上向上を目指したコンサルティング活動を行う傍ら「農業」「食」など幅広い領域でも活動されています。

進学を決めた理由をお聞かせください。

 高校時代の農業実習で稲作の魅力に触れ、より深く稲の栽培技術や文化的側面に触れたいと思っていたからというのがかっこいい方の理由。実情は、高校を卒業する時点で自分が何をしたいのか見極めることができなかったため、より自分の選択肢を広げる時間が欲しかったというのが本当の理由です。
 大学という場で多くの機会をいただき、農業全般に関する知識はもちろん、より深掘りした稲作の知見など多くの学び、気づきを得ることができました。社会人としても、会社の創業にあたっても、何かを考えるベースに大学での経験が活きていることは間違いありません。

学校生活はいかがでしたか。エピソードがあれば教えて下さい。

 4年間の大学生活で、多くの仲間と出会い、笑い、学び、とても濃厚な時間を過ごすことができました。全力で勉学に力を注ぎつつ、全力で遊んだことも良い思い出です。一番の思い出は、大潟村から沖縄まで車で旅に出たこと。狭いようで広い日本を大学時代に肌で体感することができました。今でも全国を出張することが多く、フットワークの軽さはこの経験が活きていると思います。
また、寮生であったため、キャンパスや実験圃場の田んぼまでの距離が非常に近く、今振り返ると贅沢な環境だったのだと改めて思います。


授業や実習で印象に残っていることはありますか。

 卒論の一環で地元の酒蔵「山本酒造」さんに日本酒の仕込みに行ったことがすごく印象に残っています。冬の寒い時期に1ヶ月間住み込みで体験させていただいたので、体力的には大変な部分もありましたが、生産したお米がどのように加工されて製品化されているのか、どのように価値付けされていくのかを身をもって知ることができました。
また、卒論担当の千葉先生に「田んぼの中で私より早く歩いたのは君が初めてだ」と言われた時のことは今でもはっきり覚えています。笑

現在の仕事のやりがいや、ご自身の今後の展望について教えて下さい。

 現在は起業し「米」を基軸とした事業をいくつか展開しています。ひとことで言えば、米屋ですが、ただ米を仕入れて売るだけでなく、年間120軒ほどの農家さんを実際に訪問し、その地域の歴史や生産環境、米作りへの想いをヒアリングし、お客様との架け橋としての役割を担うことを特に重視しています。
食糧としての側面を尊重しつつも、「安全・安心」というありふれた言葉を今一度見直す時期に来ていると考えており、今後は有機栽培・自然栽培のお米をメインに取り扱い、人にも地球にも優しいお米を作る生産者をバックアップしつつ、お客様が求めるお米を提供していきたいと思います。


最後に、後輩へひと言お願いいたします。

 自分がいかに恵まれた環境にいたのかと卒業後ふとした瞬間に思う時があります。
贅沢に時間が使える今を大切に、夢中になれることをたくさん見つけて、要約できない濃い大学生活を送っていただければと思います。

ご紹介

再び、耕す|株式会社Replow