東北畜産学会大会で「優秀発表賞」を同時受賞!<br>第101回日本繁殖生物学会大会で「優秀発表賞(ポスター発表部門)」を受賞!!

生物資源科学研究科生物機能科学専攻 博士後期課程2年
斎藤耕一(生物化学研究室所属)

 

生物資源科学研究科生物機能科学専攻 博士前期課程1年
細井勇輔(生物化学研究室所属)

平成20年8月21、22日に福島県(福島市)で開催された第58回東北畜産学会大会において、「優秀発表賞」を2人同時に受賞しました。

右:生物資源科学研究科生物機能科学専攻 博士前期課程1年 細井勇輔(生物化学研究室所属)、左:生物資源科学研究科生物機能科学専攻 博士後期課程2年 斎藤耕一(生物化学研究室所属)
左:細井さん、右:斎藤さん

東北畜産学会は、畜産に関する学術の進歩を図り、併せて東北地域における畜産業と畜産技術の発展に寄与することを目的としています。最近は、優秀な家畜を大量に生産することが可能な受精卵移植技術や体細胞クローン家畜の作出技術の進歩にあわせて、先端的な動物バイオテクノロジー(プリオン病研究に有用なウシ神経細胞株の作製、ニワトリの発生工学、体細胞クローン黒毛和牛の免疫能など)の研究報告も行われています。 

本賞は、学生・社会人の区別無く、大学、国・県に所属する35歳以下の若手研究者が対象となり、発表内容のわかりやすさ・研究手法の的確性・研究成果の重要性について審査が行われます。本賞は今年で創設4年目ですが、私達が所属する研究室からは4年連続の受賞となります。

一件目の受賞発表タイトルは、「ホメオティック遺伝子Egam-1の強制発現によりマウスES細胞から誘導される分化細胞系列の特定(齊藤耕一、渡邉将史、細井勇輔、春日 和、小林正之、小嶋郁夫)」です。ES細胞(胚性幹細胞)は、哺乳動物の受精卵から取り出された細胞ですが、試験管内で増殖させることができます。哺乳動物のからだを構成する、あらゆる種類の細胞に変化することができる能力を持つ(細胞分化能と呼ばれる)という理由により、畜産分野や医学分野で大きく注目されています。今回の発表では、私達が所属する研究室において独自に発見した遺伝子について、その性質について調べた成果を報告しました。この研究成果により、ES細胞の細胞分化能を人工的に制御する技術の開発が進められるようになりました。

二件目の受賞発表タイトルは、「マウス初期胚からの胎盤幹細胞株および卵黄嚢幹細胞株の樹立(細井勇輔、齊藤耕一、渡邉将史、大津亜紀、森田早苗、春日 和、小林正之、小嶋郁夫)」です。胎盤幹細胞と卵黄嚢幹細胞は、ES細胞と同様に哺乳動物の受精卵から作製される細胞です。どちらの細胞もES細胞とは異なる細胞分化能を持つので発生学研究に非常に有用ですが、作製例が少なく入手が困難でした。今回の発表では、私達が所属する研究室において胎盤幹細胞と卵黄嚢幹細胞を作製することができたことを報告しました。この研究成果により、胎盤幹細胞と卵黄嚢幹細胞を用いた新たな発生学の研究を展開できるようになりました。

また斎藤耕一は、平成20年9月18-20日に福岡県(福岡市)で開催された第101回日本繁殖生物学会大会において「優秀発表賞(ポスター発表部門)」を受賞しました。

生物資源科学研究科生物機能科学専攻 博士後期課程2年 斎藤耕一(生物化学研究室所属)

日本繁殖生物学会では、哺乳動物および鳥類の生殖生理や遺伝子導入動物・クローン動物の作出について、世界をリードする最先端の研究成果が報告されます。今回の受賞発表タイトルは、「マウス初期胚およびES細胞において発現するホメオティック遺伝子Egam-1Cの発現遺伝視座およびプロモーター領域の解析(齊藤耕一、渡邉将史、細井勇輔、春日 和、小林正之、小嶋郁夫)」です。

この発表では、私達が所属する研究室において独自に発見した遺伝子が機能する仕組みについて調べた成果を報告しました。

今回の受賞を励みに、これからもさらなる意欲を持って研究活動に邁進し、独創性あふれる発見に向け努力を重ねていきたいと思っています。

最後になりましたが、研究を進める際にご指導いただきました小嶋先生、小林先生、春日先生をはじめ、共に実験を進めた生物化学研究室の皆様に深く感謝いたします。

生物資源科学研究科生物機能科学専攻 博士前期課程1年 細井勇輔(生物化学研究室所属)生物資源科学研究科生物機能科学専攻 博士後期課程2年 斎藤耕一(生物化学研究室所属)

実験の様子(左:細井さん、右:斎藤さん)