畑作物の研究

畑作物の栽培に関する研究では、ダイズやムギ類の生育・収量と栽培環境との関連の解明に取り組んでいます。(露崎)

1)粒大を異にしたダイズ種子の発芽・出芽と土壌水分との関係
粒大を異にしたダイズ種子(大粒、中粒)では、土壌水分の多少に対する発芽や出芽の反応に差異が見られます。ダイズの発芽・出芽の生態を解明し、ダイズの安定・多収に寄与する知見を得ようとしています。

2)新しい排水技術「カットソイラ」による土壌排水性の向上と作物の生育・収量
「カットソイラ」とは、従来の暗渠に比べ少ない費用や労力で施工できる暗渠です。その暗渠施工による圃場排水性の向上および作付け作物(コムギ、ダイズなど)の生育・収量との関係を検討しています。「カットソイラ」という新しい排水技術を普及させていくための研究です。写真は「カットソイラ」を施工している様子です。施工の後、コムギが播種されました。

























   写真:カットソイラを施行する様子



3)緑肥作物の植栽・すき込みが後作作物の生育・収量におよぼす影響
異なる緑肥作物(例;ソルガム、ヒマワリ、セスバニア)を植栽・すき込むことで、後作作物(例;コムギ)の生育や収量にどのような影響がみられるかを検討しています。緑肥作物の土壌物理性改善や栄養素供給の働きを比較・評価し、化学肥料への依存度を低減させる環境保全型の作付け体系技術を見いだそうとしています。

参考文献
露崎浩・小野未来・小野竜祐・松本千春(2015)東北地方における異なる夏播き緑肥作物の植栽・すき込みが夏雑草の発生ならびに後作コムギの生育・収量に及ぼす影響,日本作物学会東北支部報 58:5-9.