ジャンル別講師の詳細プロフィール
イネを材料とした発生遺伝学
学部担当科目 生物学Ⅰ、稲生産学、基礎化学Ⅰ
大学院担当科目 土地利用型農業経営論
テーマはイネの形態形成を制御する遺伝子の解明です。働きが解明されているイネの遺伝子はそう多くはありません。私は形態形成を制御する新しい遺伝子を、突然変異体を単離することで探し、そこから遺伝子を単離することで、分子レベルでイネの形態形成を明らかにします。これらの知見は人為的にイネのみならず、穀類の形態を制御するための基礎となります。
植物育種(イネ)、植物バイオテクノロジー関係
形態学的、分子遺伝学的もしくは栽培学的なイネの研究。
〔研究内容に関連する高校の授業科目〕
普通科等:生物、化学、数学
私の専門分野はイネの“発生遺伝学”です。“遺伝学”は、始めは「生き物が子孫を作っていくときに自分と似た子どもが生まれてくる」というあの“遺伝”を取り扱う学問でしたが、最近はその遺伝の本体であるDNAが関係している現象を対象とすれば、遺伝学の一部となっています。DNAには皆さん高校で習うように、生命現象を司るほとんど総ての化学反応を制御しているタンパク質を作るための設計図が遺伝子として書き込まれています。従って、イネが受精卵から個体まで、どのような分子メカニズムで作られて行くのかを解明したければ、まず1つずつ遺伝子を破壊し、あるタンパク質を作れない突然変異体を作ります。そしてその突然変異体を調べます。するとその遺伝子/タンパク質が生物学的に何をしていたのか想像ができ、分子レベルで特定の遺伝子の働きを理解する第一歩がそこから始まります。
ほとんど前置きになってしまいましたが、私はイネの穂や花の発生が異常となった突然変異体を探して、その突然変異体を調べることで、穂や花の発生に関係する遺伝子の働きとその遺伝子が分子レベルでどのような機構(遺伝的プログラム)を造っているのか解明しようとしています。このプログラムが解明できればそれを人為的に加工することで、とても難しいですが、これまでに無いイネが作れることになるはずです。