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アグリビジネス学科教員

ジャンル別講師の詳細プロフィール

CONTENTS

近藤 正 (准教授) こんどう ただし

所属:ルーラルエンジニアリング
専門分野

農業や農村における水利用と水質保全・水環境の保全をめざす農業水利学

主な担当科目

学部担当科目  農業水利学、地域環境基礎工学
大学院担当科目 農村環境保全整備論、先進農業調査実習、八郎湖流域管理学

現在取り組んでいる研究テーマと概要

生物の生息環境と物質循環の適正化による農村地域の水質保全

技術相談に応じられる分野

① 地域の水資源、水質、水の流れ、水の利用に関するあらゆる問題。資源循環、生態系保全と水環境に関わる問題
② 農業用水や地域用水の水質保全、環境保全型農業に関する問題。

指導できる自主研究

① 農業地域からの汚濁負荷流出機構の解明
② 農村地域の水環境の評価と保全
③ ドジョウなど水生生物の生息条件としての水質管理方法
④ シジミの復活による八郎湖の水質改善

美しく豊かな農村・水環境を目指す実践型フィールドサイエンス

〔研究内容に関連する高校の授業科目〕
普通科等:化学、物理学、生物学、数学、地学
農業高校等:水循環、農業土木学、農業と環境、測量学

農(アグリ)は、本来、人々と地域を健康で豊かにし平和を支える営み(ビジネス)です。ところが市場経済の中におかれた今の日本農業はどうでしょう? 「競争に強い農業へ」の掛け声のもと、さらなる経済性追求が平地の農業域を中心に強められています。機械の大型化や自動化、経営の集約化、大規模化や法人化、「利益を産める」農地の汎用化と大区画化のほ場整備で、「新しい農業・農村」に改造されています。
アグリビジネス学科のある八郎潟中央干拓地は最先端の大規模水田農業地域ですが、環境容量を超えた農地からの汚濁物質の流出が八郎湖の水質汚濁問題=アオコ大発生と富栄養化の最大原因となっています。過重な労働と環境負荷で人にも環境にも優しくない農業が心配です。一方で流域の中上流、水源域の中山間地では、市場経済の下での「非効率」性と「条件不利」化で耕作放棄され荒廃農地が拡大しています。
食料自給率は減少、平場も中山間地も人口が減少、農村は衰退の一途です。市場の経済性追求の中で、健全な家族農業が守ってきた食料供給の役割と洪水緩和・水源涵養、水質浄化、生態系保全、地すべり防止などの国土保全や物質循環を担い地域・流域を豊かにする多面的公益的な役割の両輪が崩壊・消失しています。
そこで大規模水田域では汚濁負荷の排出実態をモニタリングし明らかにする研究を行なっています。また無落水田植えなどの具体的な負荷流出抑制技術や水域の生態系回復による水質改善策を研究し提案しています。中山間地域では、生態系を豊かにする水田ビオトープの開発を軸に農地再生に取組んでいます。水田のシンボル種ドジョウに注目し、休耕水田を有効活用したドジョウ養殖技術の向上など農業と地域を豊かにする実践・実証研究に挑戦しています。

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