全国高校生建築提案コンテスト2019審査結果発表

秋田県立大学 全国高校生建築提案コンテスト2019 
みまもる建築 審査結果発表

【講評】
 高校生の皆さんが自由な発想で描く“未来の建築像”について提案を募ってきた全国高校生建築提案コンテストも今回で第13回目を迎える運びとなりました。本年度は「みまもる建築」というテーマのもと、全国23都道県41校より88点の応募があり、初応募の12校のうち2校が上位入賞するという大変印象深い審査結果となりました。

 現在日本においては、少子化や超高齢化時代が到来し、共働き夫婦の増加や都市部への人口の集中により、社会や親族とのつながりが薄い核家族や一人暮らしなどの孤立する世帯が増えています。このような社会情勢の中で、“みまもる”取組みが地方自治体によって進められている状況です。今回の審査では,高校生の皆さんが「みまもる」という言葉をどのように捉え、そこから何を発想し、そしてどんな建築の提案につなげて行ったかがポイントとなり、さらに提案作品の建築的な面白さや、図面等の表現・完成度も加味されました。

 今回の応募では、テーマ決定時に我々が考えた「みまもる」の概念や「みまもる」と建築の結びつきの発想を遙かに超える提案がいくつも見られました。「みまもる」ことの意味を考え、その対象やそれにつながる様々な行為を抽出して、そこにポイントを絞り、そして具体的な建築の提案に結びつける作品が多くありました。「みまもる」対象としては、子供や高齢者のほか、外国人や観光客、さらには人以外にペットや植物、文化や歴史など様々でした。「みまもる」につながる行為としては、「食」に関するものが比較的多く見られ、その他にお互いをみまもる提案や、非常時を想定した提案などもありました。このように高校生の皆さんの発想はどれも個性的で興味深いものであり、審査員一同大いに感心させられるとともに、「みまもる」について今一度考えさせられた次第です。

 最後に、今回ご応募いただいた高校生の皆さん、ご指導やご協力を賜りました先生方に心からの感謝を申し上げるとともに、これを契機に今後皆さんの豊かな発想力、若いパワーが魅力的な建築空間の創出や地域活性化への活動に向けられてゆくことを期待いたします。
 
秋田県立大学 高校生建築提案コンテスト選考委員会
システム科学技術学部建築環境システム学科 学科長 西田哲也
 


【審査会の様子】


【審査結果】
※各同賞内は、作品受付順です。

■最優秀賞(1点)
「実 + 守る塀」
長江 優里(東京工業大学附属科学技術高等学校3年)


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■優秀賞(3点)
・「わらべ横町 ~世代でつなぐ東町商店街~」
辻 龍斗(三重県立四日市工業高等学校3年)


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・「夢のおりてくる町」
松永 芽依(兵庫県立兵庫工業高等学校3年)
北岡 弘光、木下 岳空、楠本 泰生、柴田 一志、中渕 陽介(同校2年)


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・「みまもる建築 「屋台食堂」」
時田 大樹(埼玉県立熊谷工業高等学校3年)


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■佳作(7点)
・「駐車場がみんなの社交場~お互いをみまもる下町風の帰り道~」
川上 翔土、用松 楓子(大分県立鶴崎工業高等学校2年)
・「地域のスーパーマーケットから「サトウ(仮)さんち」を見守る」
間杉 美紅、相場 月見、尾形 凛(秋田県立秋田工業高等学校3年)
・「台所 ~食でつながる~」
辻 佑京子(岡山県立岡山工業高等学校3年)
・「Assenbrella」
土屋 瑠菜(福島県立郡山北工業高等学校3年)
・「未来につながるおすそわけ ~新たなる交流の場~」
海野 紘汰、村松 美緒、安井 一真(静岡県立科学技術高等学校2年)
・「臨機応変の家」
朝倉 優輝、大森 甲斐、鈴木 光、冨田 勇樹人、杉浦 佑斗、堤 元希(静岡県立浜松工業高等学校2年)
・「地域に子ども食堂を」
赤澤 尚緒(静岡県立浜松工業高等学校3年)

 【応募状況】 
■応募総数:88点(うち県内応募作品2点)
■応募高校数:41校(23都府県)

【賞状・記念品等の送付について】
入賞された方への賞状と副賞、応募された方全員への記念品と作品評は、12月中旬~12月下旬に発送する予定です。

【参考サイト】
 ●コンテスト募集要項および関連資料
 ●建築環境システム学科運営ページ

※ご質問、ご不明な点がございましたら、下記連絡先までご連絡をお願いします。
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秋田県立大学本荘キャンパス 建築提案コンテスト係
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