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機械に命を吹き込む技術

2007-03-08

 

機械に命を吹き込む技術―自動制御工学とその真髄

 

システム科学技術学部

電子情報システム学科

准教授  徐 粒

 

ロボットはなぜ自分で稼動できるのか、船舶や飛行機はなぜ自動操縦できるのか、深海探査器や宇宙探査器はなぜ遠く離れても指令通りに動くのか、と不思議に思いませんか。実は、これらの実現は、自動制御工学という学問の功績が大きいのです。

 

蒸気機関やエンジンなどの発明で人間の肉体的な能力、また計算機や各種情報機器などによって人間の頭脳の処理能力が拡大されたというならば、自動制御工学はある意味でその両方を総合的に拡大しているといえます。つまり、“肉体”や“頭脳”を持った機械システムに、自動制御の法則という自力で動く“命”を吹き込んだのが自動制御工学です。

 

 制御とは、簡単にいうと、ある目的に適合するように、対象となっているものに所要の操作を加えることです。問題は、いかに適切にその“所要の操作”を決めるかが難しいため、多くの知識が必要なことです。しかし、自動制御の真髄となる“フィードバック制御”の基本原理は至って単純です。

 

これは、実際の制御結果を常に測って目標と比較しながら、制御操作を調整する方式を指します。“操作→結果→操作”というループになっているので、フィードバック(帰還)制御と呼ばれます。その一番大きな利点は常に実際の制御結果によって制御しているので、条件の変化や*外乱の影響に即時に対応し、高い制御精度を保証できることです。

 

kanto.jpg竿灯祭での竿灯立てはフィードバック制御の格好な例となります。常に目や手で竿灯の状況を確認しながら、動かさなければなりません。

 

これから、航空宇宙、マイクロマシン、高度道路交通システム、ロボット工学、福祉・医療支援などの先端技術の発展に伴って、制御工学の役割も益々重要となるに違いありません。多くの興味を持った若者の参入に期待を寄せたいと思います。

 

*外乱・・観測誤差や雑音など予期せぬ制御系への入力信号

 

 

 

 

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