9月17日の講義内容 公開講座

秋田県農業の位置づけと課題
~秋田県立大学に課せられた農業再生への取り組み~

教授 長濱 健一郎(ながはま けんいちろう)

秋田県はコメの収入に依存する構造を持っていますが、消費の減退に伴い厳しい経済状況となっています。豊葦原瑞穂の国の典型ともいえる秋田県農業の強みと弱さはどこにあるのでしょうか。本講座ではまず秋田県農業の現状を分析し、課題を明らかにします。そしてその課題克服のために秋田県立大学大潟キャンパスで取り組んでいる研究について紹介するとともに、魅力的な食材を秋田から発信していくことの意義を明らかにします。

県大発、牛肉の美味しさを再発見
~日本短角牛の新たな生産体系と高品位な赤身肉を目指して~

准教授 濱野 美夫(はまの よしお)

わたしたちは、いま求められている資源循環型畜産を進めながら大潟村のような平坦地にあった肉用牛の新たな生産体系の構築を目指しています。この取組みでは、資源循環の推進に適した日本短角種という和牛の生産を柱とし、科学的な増産・肥育技術の開発とともに霜降りでない赤身肉を美味しくする新たな肉の熟成研究にも踏み込んでいます。本講座では、わたしたちが目指す牛肉生産の取組みについて紹介します。牛肉の試食もあります!

ツクネイモが魅せる潜在能力に賭ける
~アグリビジネス学科のチャレンジ~

准教授 吉田 康徳(よしだ やすのり)

 秋田に自慢できる食材(野菜)として、ツクネイモがあります。以前は暖地での生産が中心でしたが、秋田(大館市)に日本一の産地があります。ただし、産地の規模を維持するための様々な課題が存在します。そのため、産地と連携しながら研究に取り組んでいます。さらに、ツクネイモの秋田での消費が少ない悩みも抱えています。その解決策として、このツクネイモが魅せる潜在能力(商品化の可能性)も紹介します。

目指せ!キイチゴ特産化
~多様な人々と織りなす赤い宝石の物語~

准教授 今西 弘幸(いまにし ひろゆき)

 現在、秋田県内でキイチゴを特産化し、新しい食文化を創ることに取り組んでいます。特産品にするためには、生産するだけでなく、生産物を利用することが必要です。さらに、生産者と利用者をつなぎ発展させるために、後援することが不可欠です。このように、様々な立場の人々と結びつき協力して、生産果実や加工品が出回るようになってきました。皆様も、私達と一緒に"赤い宝石の物語"を作っていくのはいかがでしょうか?