7月4日の講義内容 公開講座

「農耕文化を見つめ直して ~秋田の未来を作りあげる可能性~」

生物資源科学部 特任准教授 田代 卓

土地を耕して作物を育てること、これが文化のもとの意味と言われています。人類は長い年月をかけて、野性植物から栽培植物を作りあげてきました。現在、我々が食べているイネやムギは、われわれの祖先の手により、何千年もかかって改良発展させられてきた文化財です。つまり農耕文化とは、生きている栽培植物や家畜の品種そのものであると言えます。そのため、農業とは生きている文化財を先祖から受け継ぎ、これを育て、子孫に手渡して行く作業ともいえます。この文化財から、秋田の未来を作りあげる可能性について考え、具体化させることが必要だと思います。

「自然エネルギー社会
 ~動き出したグリーンエコノミー、私たちの生活はどう変わるのか~」

システム科学技術学部 特任教授 漆川 芳國

この1月就任したオバマ米国大統領が “グリーンエコノミー”という政策を進めると宣言したことで、一気に世界中でこの考えが具体化しました。グリーンエコノミーは石油に代わって、太陽光、風力、水力、バイオマスなど自然エネルギーを利用する社会への転換を目指すものです。新しい社会では、石油を利用して繁栄した企業はどうなるのでしょうか。自然エネルギーは地域に分散しているので、巨大企業でなく、地域型企業が有利になると予想されます。どんな地域産業を育て、どんな社会を作るか、それは地域のみんなが考えることになります。ここでは、自然エネルギー利用をした産業や経済システムの考え方と例を紹介します。