農業機械・情報分野では、新しい農業機械の技術開発に加えて、情報技術(IT)導入によるこれまでにないレベルの機械化技術(スマート農業)の開発・実証研究を目指しています。農林水産省では2013年よりスマート農業の研究会が立ち上げられ、昨年にはスマート農業技術活用促進法が施行されています。普及を目指す段階にある技術としては、ロボットトラクタ(自動操舵)、ほ場の自動水管理システム、ドローンを活用したセンシング、リモコン草刈機、ハウス等の自動環境管理システム、GISを利用した作物生産管理システム、家畜の生産管理システムなどが挙げられます。しかし、一部の技術を除いて、スムーズに普及しているとは言い難く、実際には価格や性能などの面で、克服すべき点がまだあるのが現状で、より一層の実証試験と技術の深化がもとめられています。
本研究室の山本先生は前職では、イチゴを選別しながら販売用のトレイに平置きしていく工程を機械化した「イチゴのパック詰ロボット」の開発に携わってきました。また県立大学にいらしてからは、有機栽培水田の除草のために、ドローンを利用してマガモの行動を制御することで、効率よく除草させる方法の確立、深層学習を利用した害鳥獣の識別、ロボット田植え機(写真左)やトラクタの実証試験、除草ロボット(在宅草刈システム)(写真右)の開発などの卒論指導をなさっています。
ロボット田植え機による移植
ラジコン草刈機(在宅草刈システム)
現在は主に水稲有機栽培の除草の機械化を目指したロボットの開発や企業と共同での乗用除草機の改良、ドローンを用いた水稲種子の散播によるイネの直播栽培の実証試験、水田の雑草の生育量を把握するための画像解析などにも取り組んでおられます。