2014,10,25, Saturday
奇跡的な秋晴れに恵まれ,盛大に開催することができた.
学生と教職員をあわせて,30名近くの参加があった.
焼き芋で秋の味覚を楽しむという,時宜を得た企画も併催された.
当初計画では潮風祭後の13日(月・祝)を予定していた.
だが,台風19号の影響で延期となった.
今シーズン最大級の台風で,九州から関東まで日本列島を大横断した.
秋田には接近しなかったが,台風通過後,不安定な天気が続いていた.
開催前日の18日(土)は,突然の豪雨に見舞われた.
大潟キャンパスでは,マルチコプタが墜落して行方不明となる被害も出た.
気まぐれな秋の天気は恐ろしい.
例年,ボート体験会は,6月から7月にかけて開催していた.
子吉川レガッタへの出漕者募集を兼ねていたためである.
秋田の秋は短く,9月のレガッタ後は一気にオフシーズンとなる.
10月から後期セメスタも始まることから,ボート熱は急激に冷める.
この傾向を打破しようと,昨年度に同じようなイベントを計画したが,企画倒れで終わった.
本学では自艇を保有していないため,アクアパルの借艇期間の影響を受けてしまう.
だが,今年は違った.
経営クルーのリーダが,早い時期に企案してくれた.
フットワークの良さと抜群のリーダシップに支えらえて順調に企画が進み,盛大かつ華やかに開催することができた.
子吉川レガッタ成年男子枠で4位に輝いた実力は,ここにも生きていた.
今回のイベントでは,マルチコプタによるローイングの空撮を試みた.
本空撮は研究活動の一環であり,本荘由利産学振興財団の助成を受けて,ベンチャー自主研究として実施した.
当初計画では子吉川レガッタの空撮を予定していたが,マルチコプタの製作に予想以上の時間を要し,今シーズンの実現が危ぶまれていた.
夏休み後半の9月に集中的して開発に取り組み,今回のイベントになんとか間に合うことができた.
研究期間が1年間しかないので,危なかった.
さてここでマルチコプタとは,複数の回転翼(ロータ)を用いて飛行するヘリコプタのことである.
大局的な分類では,UAV(Unmanned Aerial Vehicle)やドローン(Drone)とも呼ばれる.
通常のヘリコプタは,水平方向に取り付けられたメインロータと,垂直方向に取り付けられたテールロータから構成されている.
機体上部のメインロータから揚力を発生し,後方のテールロータが機体の回転を抑制する.
玩具としてのラジコンヘリコプタは,グローエンジンやガソリンエンジンでロータを駆動する.
内燃機関は小型でも高出力が得られるものの,微妙な回転制御が難しい.
このため,操縦には指先のマジックと呼ばれるくらいに高度な技術が求められる.
一方,マルチコプタは,電気モータを用いて複数のロータを回転駆動する.
ロータ数は最小が4ロータで,6ロータ,8ロータと偶数個で増える.
順に,クアッドコプタ,ヘキサコプタ,オクトコプタと呼ばれる.
ロータ数が増えるほど安定性が増し,積載重量(ペイロード)が増えるが,部品点数も増えるため,システムが複雑化し,機体の価格が高くなる.
したがって,クアッドコプタやヘキサコプタが現在最も普及している.
各々のモータは,マイクロコンピュータによって制御されている.
また機体には,加速度センサ,ジャイロセンサ,GPS(Global Positioning System)等のセンサが搭載されている.
これらのセンサはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により,基板上に集積実装されている.
MEMS実装された基板とリアルタイム処理のソフトウェアから構成されるフライトコントローラにより,一定高度で静止するホバリングや自動操舵のオートパイロットが容易に実現される.
かつてのシングルロータ式ラジコンヘリコプタと言えば,ホバリングをさせるだけでも長い経験と絶妙な操作技術が求められた.
したがってラジコンヘリコプタは,ラジコン界では最も敷居が高く,最高峰の趣味であった.
技術の進歩は,高い敷居を,庶民がまたげる高さまで下げてくれる.
マルチコプタの登場と普及により,誰もが気軽にラジコンヘリの世界に仲間入りできるようになった.
いろいろな技術革新に支えられているが,特にモータ,バッテリ,マイクロコンピュータ,そしてセンサ技術の進歩が大きい.
まさにラジコン界のイノベーションである.
また,デジタルカメラの小型軽量化と高解像度化が進み,マルチコプタによる空撮が容易になった.
マルチコプタによる空撮は,様々な分野への応用が期待されている.
例えば,橋やトンネルなどの大型構造物の外観検査がある.
2012年12月に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故は,社会を震撼さえるとともに,既存の点検方式の問題点と限界をあぶり出した.
もっともこれは氷山の一角である.
高度成長期に建てられた橋やトンネルは,耐久年数を迎えようとしている.
今後は新たな構造物を建てるよりも,既存の構造物の保守点検とメンテナンスの重要性が高まってくる.
由利本荘市では,2007年8月に本荘大橋で斜材破断が見つかった.
緊急補強工事のために本荘大橋が,全面通行止めになったのは記憶に新しい.
高度経済成長が終焉し人口減少時代を迎えた我が国が,インフラの安心安全を確保するためには,保守点検における技術革新が求められる.
その中で近年注目されているのが,マルチコプタによる空撮技術である.
特殊な吊り下げ装置を使った作業員の目視検査や打音検査に頼ることなく,マルチコプタが撮影した様々な方向の映像を用いることにより,客観的かつ定量的に隅々まで点検することができる.
ただし,通常の飛行と違って,解決しなければならない様々な問題がある.
マルチコプタは,障害物がない場所で高度を稼ぐだけの飛行なら,操縦はそれほど難しくない.
航空法により飛行高度は250メートル(航空路内は150メートル)以内に制限されているが,米粒のように小さくなる機体を見失わなければ大丈夫である.
スロットルレバーを押し上げるだけで,機体はあっというまに法定高度に達する.
電波障害等により機体との通信が途絶えた場合は,自動的に帰還してくれる.
フライトコントローラの設定にもよるが,通常は3秒間の通信遮断で自動帰還モードに切り替わる.
自動帰還モードでは,GPSによる位置情報をもとに,離陸地点まで自動航行し着陸する.
飛行場所や気象条件にもよるが,昨今のGPSは精度が非常に高く,数センチ程度の誤差で離陸地点に自動着陸する.
マルチコプタによる空撮で高度な操作が求められるのは,特定の被写体に接近する場合である.
ここでマルチコプタが対象とする被写体は,静的物体と動的物体に大別される.
橋梁は前者の静的物体に分類される.
ローイングボートは後者の動的物体となる.
動的物体では,衝突することなく被写体に接近するためには,機体の運動特性を知りつつ,熟練した操縦技術が求められる.
また,被写体の運動が等速直線でない場合は,動きを予測しながら操縦しなければならない.
特にマルチコプタの場合は,操縦者は離れた位置から目視により操縦するため,機体と被写体の距離感覚の把握が難しい.
そのような高度な操作が求められる中,ローイングボートの撮影が行われた.
結果は大成功であった.
臨場感に溢れる映像を取得することができた.
3次元空間を自在に動けるマルチコプタが,ローイングボートを様々な高度と角度から撮影できた.
世界選手権やオリンピックのような世界規模の大会では,コース上にワイヤロープを張って,カメラを滑らせながら水上を走るボートを追いかける.
マルチコプタを使うことにより,このような大掛かりな仕掛けを必要とせず,様々なアングルでレース中のボートを撮影することができる.
現在のマルチコプタの飛行能力なら,最速のエイトでも十分に追従できる.
今回は陸上からマルココプタを見ながら操縦した.
機体に搭載されているカメラ映像を見ながら操縦できる方法もある.
FPV(First Person View)という技術である.
FPVを使うことで,被写体により接近して撮影することができる.
一方,FPVには映像のリアルタイム伝送が求められる.
プロポの通信範囲は,機種にもよるが1キロメートル程度である.
比較的長距離まで交信できるが,通信容量は少ない.
したがって,通信容量の大きい特殊な無線装置を使う必要がある.
場合によっては,無線局の開局申請が必要となる.
また,2次元ディスプレイに投影されるカメラ映像から,奥行きの把握は難しい.
更に狭い視野範囲に起因する,FPVならではの難しさがある.
しかしながら,Kinectのような深度カメラやGoProのような魚眼特性に優れた広角カメラとの組み合わせによりFPVの可能性は大きい.
マルチコプタに関わる研究要素は,未開の荒野のように無限に広がっている.
2013年1月,由利本荘市の新たなシンボルとして新由利橋が完成した.
新由利橋は主塔が1本の斜張橋で,橋の下をローイングボートが自由に行き交う.
ボートの街に適した橋である.
開通当初は橋の揺れが問題になっていたが,ダンパを挿入して防振対策が施された.
この橋が,テムズ川に架かるタワーブリッジにように,世紀を超えて使われ続けるためには入念な保守点検が必要であろう.
橋の安全はローイングの安全にも結びつくため,マルチコプタが活躍できる範囲は広そうだ.
日本海から強風が吹き荒ぶ秋田県は,風車による風量発電に適した土地でもある.
回転体である風車のブレードは,定期的に点検しなければならないが,高所での特殊な作業が求められる.
風車の点検作業には,1基につき作業員5人で2日間要すると言われている.
このような作業にも,マルチコプタによる空撮技術の応用が期待される.
漕ぎ納めを兼ねた秋のボート体験会は,初めての試みであった.
また,この体験会に便乗して,マルチコプタによるローイングの空撮という新しい研究分野にも挑戦することができた.
これは研究なのか,あるいは単なる趣味なのかは,今のところ不明である.
ただひとつ言えることは,趣味と研究の境界は極めて曖昧なことであろう.
由利本荘市の地域に根付いたスポーツであるローイングとマルチコプタが結びつければ,趣味と研究の両方が楽しめる.
こんがり焼けた焼き芋とホクホクのジャガバターに舌鼓を打ちながら,夕日に向かって漕ぎ進むボートを追尾するマルチコプタを眺めていると,天高く馬肥ゆる秋空のもとで,空想ばかりが膨らんだ.
スポーツの秋,研究の秋,そして妄想の秋である.
学生と教職員をあわせて,30名近くの参加があった.
焼き芋で秋の味覚を楽しむという,時宜を得た企画も併催された.
当初計画では潮風祭後の13日(月・祝)を予定していた.
だが,台風19号の影響で延期となった.
今シーズン最大級の台風で,九州から関東まで日本列島を大横断した.
秋田には接近しなかったが,台風通過後,不安定な天気が続いていた.
開催前日の18日(土)は,突然の豪雨に見舞われた.
大潟キャンパスでは,マルチコプタが墜落して行方不明となる被害も出た.
気まぐれな秋の天気は恐ろしい.
例年,ボート体験会は,6月から7月にかけて開催していた.
子吉川レガッタへの出漕者募集を兼ねていたためである.
秋田の秋は短く,9月のレガッタ後は一気にオフシーズンとなる.
10月から後期セメスタも始まることから,ボート熱は急激に冷める.
この傾向を打破しようと,昨年度に同じようなイベントを計画したが,企画倒れで終わった.
本学では自艇を保有していないため,アクアパルの借艇期間の影響を受けてしまう.
だが,今年は違った.
経営クルーのリーダが,早い時期に企案してくれた.
フットワークの良さと抜群のリーダシップに支えらえて順調に企画が進み,盛大かつ華やかに開催することができた.
子吉川レガッタ成年男子枠で4位に輝いた実力は,ここにも生きていた.
今回のイベントでは,マルチコプタによるローイングの空撮を試みた.
本空撮は研究活動の一環であり,本荘由利産学振興財団の助成を受けて,ベンチャー自主研究として実施した.
当初計画では子吉川レガッタの空撮を予定していたが,マルチコプタの製作に予想以上の時間を要し,今シーズンの実現が危ぶまれていた.
夏休み後半の9月に集中的して開発に取り組み,今回のイベントになんとか間に合うことができた.
研究期間が1年間しかないので,危なかった.
さてここでマルチコプタとは,複数の回転翼(ロータ)を用いて飛行するヘリコプタのことである.
大局的な分類では,UAV(Unmanned Aerial Vehicle)やドローン(Drone)とも呼ばれる.
通常のヘリコプタは,水平方向に取り付けられたメインロータと,垂直方向に取り付けられたテールロータから構成されている.
機体上部のメインロータから揚力を発生し,後方のテールロータが機体の回転を抑制する.
玩具としてのラジコンヘリコプタは,グローエンジンやガソリンエンジンでロータを駆動する.
内燃機関は小型でも高出力が得られるものの,微妙な回転制御が難しい.
このため,操縦には指先のマジックと呼ばれるくらいに高度な技術が求められる.
一方,マルチコプタは,電気モータを用いて複数のロータを回転駆動する.
ロータ数は最小が4ロータで,6ロータ,8ロータと偶数個で増える.
順に,クアッドコプタ,ヘキサコプタ,オクトコプタと呼ばれる.
ロータ数が増えるほど安定性が増し,積載重量(ペイロード)が増えるが,部品点数も増えるため,システムが複雑化し,機体の価格が高くなる.
したがって,クアッドコプタやヘキサコプタが現在最も普及している.
各々のモータは,マイクロコンピュータによって制御されている.
また機体には,加速度センサ,ジャイロセンサ,GPS(Global Positioning System)等のセンサが搭載されている.
これらのセンサはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により,基板上に集積実装されている.
MEMS実装された基板とリアルタイム処理のソフトウェアから構成されるフライトコントローラにより,一定高度で静止するホバリングや自動操舵のオートパイロットが容易に実現される.
かつてのシングルロータ式ラジコンヘリコプタと言えば,ホバリングをさせるだけでも長い経験と絶妙な操作技術が求められた.
したがってラジコンヘリコプタは,ラジコン界では最も敷居が高く,最高峰の趣味であった.
技術の進歩は,高い敷居を,庶民がまたげる高さまで下げてくれる.
マルチコプタの登場と普及により,誰もが気軽にラジコンヘリの世界に仲間入りできるようになった.
いろいろな技術革新に支えられているが,特にモータ,バッテリ,マイクロコンピュータ,そしてセンサ技術の進歩が大きい.
まさにラジコン界のイノベーションである.
また,デジタルカメラの小型軽量化と高解像度化が進み,マルチコプタによる空撮が容易になった.
マルチコプタによる空撮は,様々な分野への応用が期待されている.
例えば,橋やトンネルなどの大型構造物の外観検査がある.
2012年12月に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故は,社会を震撼さえるとともに,既存の点検方式の問題点と限界をあぶり出した.
もっともこれは氷山の一角である.
高度成長期に建てられた橋やトンネルは,耐久年数を迎えようとしている.
今後は新たな構造物を建てるよりも,既存の構造物の保守点検とメンテナンスの重要性が高まってくる.
由利本荘市では,2007年8月に本荘大橋で斜材破断が見つかった.
緊急補強工事のために本荘大橋が,全面通行止めになったのは記憶に新しい.
高度経済成長が終焉し人口減少時代を迎えた我が国が,インフラの安心安全を確保するためには,保守点検における技術革新が求められる.
その中で近年注目されているのが,マルチコプタによる空撮技術である.
特殊な吊り下げ装置を使った作業員の目視検査や打音検査に頼ることなく,マルチコプタが撮影した様々な方向の映像を用いることにより,客観的かつ定量的に隅々まで点検することができる.
ただし,通常の飛行と違って,解決しなければならない様々な問題がある.
マルチコプタは,障害物がない場所で高度を稼ぐだけの飛行なら,操縦はそれほど難しくない.
航空法により飛行高度は250メートル(航空路内は150メートル)以内に制限されているが,米粒のように小さくなる機体を見失わなければ大丈夫である.
スロットルレバーを押し上げるだけで,機体はあっというまに法定高度に達する.
電波障害等により機体との通信が途絶えた場合は,自動的に帰還してくれる.
フライトコントローラの設定にもよるが,通常は3秒間の通信遮断で自動帰還モードに切り替わる.
自動帰還モードでは,GPSによる位置情報をもとに,離陸地点まで自動航行し着陸する.
飛行場所や気象条件にもよるが,昨今のGPSは精度が非常に高く,数センチ程度の誤差で離陸地点に自動着陸する.
マルチコプタによる空撮で高度な操作が求められるのは,特定の被写体に接近する場合である.
ここでマルチコプタが対象とする被写体は,静的物体と動的物体に大別される.
橋梁は前者の静的物体に分類される.
ローイングボートは後者の動的物体となる.
動的物体では,衝突することなく被写体に接近するためには,機体の運動特性を知りつつ,熟練した操縦技術が求められる.
また,被写体の運動が等速直線でない場合は,動きを予測しながら操縦しなければならない.
特にマルチコプタの場合は,操縦者は離れた位置から目視により操縦するため,機体と被写体の距離感覚の把握が難しい.
そのような高度な操作が求められる中,ローイングボートの撮影が行われた.
結果は大成功であった.
臨場感に溢れる映像を取得することができた.
3次元空間を自在に動けるマルチコプタが,ローイングボートを様々な高度と角度から撮影できた.
世界選手権やオリンピックのような世界規模の大会では,コース上にワイヤロープを張って,カメラを滑らせながら水上を走るボートを追いかける.
マルチコプタを使うことにより,このような大掛かりな仕掛けを必要とせず,様々なアングルでレース中のボートを撮影することができる.
現在のマルチコプタの飛行能力なら,最速のエイトでも十分に追従できる.
今回は陸上からマルココプタを見ながら操縦した.
機体に搭載されているカメラ映像を見ながら操縦できる方法もある.
FPV(First Person View)という技術である.
FPVを使うことで,被写体により接近して撮影することができる.
一方,FPVには映像のリアルタイム伝送が求められる.
プロポの通信範囲は,機種にもよるが1キロメートル程度である.
比較的長距離まで交信できるが,通信容量は少ない.
したがって,通信容量の大きい特殊な無線装置を使う必要がある.
場合によっては,無線局の開局申請が必要となる.
また,2次元ディスプレイに投影されるカメラ映像から,奥行きの把握は難しい.
更に狭い視野範囲に起因する,FPVならではの難しさがある.
しかしながら,Kinectのような深度カメラやGoProのような魚眼特性に優れた広角カメラとの組み合わせによりFPVの可能性は大きい.
マルチコプタに関わる研究要素は,未開の荒野のように無限に広がっている.
2013年1月,由利本荘市の新たなシンボルとして新由利橋が完成した.
新由利橋は主塔が1本の斜張橋で,橋の下をローイングボートが自由に行き交う.
ボートの街に適した橋である.
開通当初は橋の揺れが問題になっていたが,ダンパを挿入して防振対策が施された.
この橋が,テムズ川に架かるタワーブリッジにように,世紀を超えて使われ続けるためには入念な保守点検が必要であろう.
橋の安全はローイングの安全にも結びつくため,マルチコプタが活躍できる範囲は広そうだ.
日本海から強風が吹き荒ぶ秋田県は,風車による風量発電に適した土地でもある.
回転体である風車のブレードは,定期的に点検しなければならないが,高所での特殊な作業が求められる.
風車の点検作業には,1基につき作業員5人で2日間要すると言われている.
このような作業にも,マルチコプタによる空撮技術の応用が期待される.
漕ぎ納めを兼ねた秋のボート体験会は,初めての試みであった.
また,この体験会に便乗して,マルチコプタによるローイングの空撮という新しい研究分野にも挑戦することができた.
これは研究なのか,あるいは単なる趣味なのかは,今のところ不明である.
ただひとつ言えることは,趣味と研究の境界は極めて曖昧なことであろう.
由利本荘市の地域に根付いたスポーツであるローイングとマルチコプタが結びつければ,趣味と研究の両方が楽しめる.
こんがり焼けた焼き芋とホクホクのジャガバターに舌鼓を打ちながら,夕日に向かって漕ぎ進むボートを追尾するマルチコプタを眺めていると,天高く馬肥ゆる秋空のもとで,空想ばかりが膨らんだ.
スポーツの秋,研究の秋,そして妄想の秋である.
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