学長メッセージ
学長 小林 俊一
1938年奈良県生まれ。1967年大阪大学大学院博士課程修了(物理学専攻)。東京大学理学部教授・理学部長・副学長を歴任し、1998年、理化学研究所理事長に就任。国立大学法人東京農工大学監事を経て、2006年4月より現職。『低温技術』、『固体物理』など著書多数。
大学が社会に対して負う責任とは、優れた人材を供給すること、地域の知的拠点として役割を果たすこと、優れた研究によって人類の文化を高めることなどでしょう。いずれもきわめて大切な活動ですが、県立大学をとりまく条件を考えると、県立大学がなすべきは教育を最優先して、急速に変転する現代社会に即応し、貢献し得る人材を豊富に送り出すことです。これまでも卒業生のほぼ全員が就職と大学院進学を果たすというすばらしい成果を上げてきましたが、今後も県立大学は社会から熱望される人材を育てることに全力を尽くします。
県立大学はシステム科学技術学部、生物資源科学部という二つの学部からなる特徴ある構造を持っています。生存の根幹である農業と、近代社会を支える工業の、人間社会にとって最も重要な分野を担っているのです。この特徴を教育、研究に生かすことによって、県立大学の存在意義を明らかにし、社会の中に確固たる地位を築くことができるのだと考えます。
大学在学の4年間は一人の人間がその人格を形成する、人生で最も重要な時間です。県立大学は理系の大学ですが、学生諸君には大学の中で専門的な知だけを身につけるのではなく、広く文学や哲学や芸術にまで視野と教養を広げ、他者との意思疎通に優れた、バランスのとれた社会人に育ってくれることを切望します。
