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コラム各教員の研究に関するトピックス,最近の関心事などのエッセイなどを掲載(不定期)

 
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研究の思い出(2012.04.30)

※第一弾として2009年出版の開学10周年記念誌の記事を掲載します
「新世界の七不思議―インカ・マチュピチュ遺跡調査」

名誉教授 小川 淳二(元学部長,元学科長)
 南米ペルーの地に、かつて高い文化と共に栄えていたインカ帝国の遺跡があります。その代表的なものが新世界の七不思議の一つ、空中都市「マチュピチュ遺跡」です。
 ペルーは日本同様に地震多発地帯としても知られ、頻繁に大地震に見舞われています。しかし、相当数のインカ遺跡は、強い地震に耐え抜いています。二十年位前にクスコやマチュピチュを視察して以来、「何故、インカの石組構造は、耐震性に優れているのか?」と疑問を持ち続けていました。

 平成十六年にシステム科学技術学部とペルー国立クスコ大学土木学部とで学部間協定を締結し、これを機に建築環境システム学科では、クスコ大学との共同研究「インカ構造物の耐震安全性に関する調査研究」を発足させました。実際の活動は、クスコ大学の支援の下、県立大学から計測機材と人員を提供し、インカ遺跡で地盤・構造物の調査を行うものでした。

 さて,県大実測チームは本荘から三十時間の長旅で、翌日0時頃にペルーのリマ空港に到着しました。ところが,入国早々トラブルが発生しました。実測機材一式が通関で引っかかってしまったのです。「高価な機材を関税なしで国内へ持ち込み、売却などの商売は許さない」とのことでした。クアドラ先生の必死の長い交渉の末、保証金五百ドルを預託する事で決着しましたが、時間は午前2時を過ぎておりました。クスコへの国内線飛行機は午前6時。空港で夜明かしとなりました。

 実際の調査ですが、実測対象は、貴重な遺跡ですから非破壊実測と言うよりは、非損傷実測でした。入国では苦労したものの、クスコ大学のロハス教授の御尽力により各方面の承認を得ておりましたので、実測サイトでは全くトラブルもなく調査を計画通り実施する事が出来ました。

コラム2012.04.30:研究の思い出1「新世界の七不思議―インカ・マチュピチュ遺跡調査」

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Depertment of Architecture and Environment Systems, Akita Pref. Univ.