パンよりごはん
8月19日夕方,秋田朝日放送スーパーJチャンネルあきたで,朝食プロジェクトの様子が放送された.

実施期間中の取材はなかったため,番組は写真スライドによる放送となった.
本プロジェクトのリーダがインタビューを受け,当時の様子を物語ってくれた.
学生の反応やアンケートから得られた朝食提供の効果に加えて,友達とのコミュニケーションの機会や朝型活動に結び付いていることについて言及されていた.

このニュースは,全国農業協同組合中央会(JA全中)がプレリリースとして報道発表した朝食に関する意識調査の結果を受けたもの.
20代の若者は,朝食にパンよりごはんを食べる割合が高いという結果が,目玉のひとつになっていた.
具体的には「朝食の主食として最もよく食べているもの」という設問に対して,ごはんが50.6%となり,34.5%のパンを上回っている.
30代以降ではごはんよりもパンの割合が高いため,この逆転現象は,資料性が高く興味深い結果として注目を集めた.
全年代の平均は,パンが49.8%,ごはんが38.7%である.
パン派は60代が最も高く,59.9%となっている.

調査は2014年6月に実施された.
Webモニタによるアンケートにより回答を得ている.
サンプル数は各年代の男女100名ずつ,計1000名.

朝食にパンを選ぶ理由として,「手軽に食べられるから」の割合が最も大きい.
一方,ごはんを選ぶ理由として,「腹持ちがいいから」の割合が最も大きい.
この結果から,20代は腹持ち優先,30代以降は手軽さを優先,という単純な理解でよいのだろうか?

根拠となるデータはないが,勝手に考察(妄察)してみたいと思う.

1.コンビニの影響
若い年代ほど,朝食にコンビニを利用する割合が高い.
最近のコンビニは,おにぎりが充実している.
おにぎりだと,おかず要らずで,超お手軽.
コンビニおにぎりが,若い年代のごはん派を増やしている.

2.ホームベーカリーの普及
ゴパン(GOPAN)に代表されるホームベーカリーが爆発的にヒットした.
パン屋に行かなくても,家庭で気軽に焼きたてのパンが食べられる.
ただし,炊飯器と違って,ホームベーカリーは高値の家電製品.
若者は手が出せないので,炊飯器でせっせと米を炊く.
シニア世代は,リッチに焼きたてのパンの味を楽しむ.

3.時代の回帰
すっかり西洋かぶれしたニッポンだが,最近は和の文化が見直されつつある.
【衣】和服は高温多湿の島国に適した服装である.
クールビズでネクタイを外している場合ではない.
夏場のファッションとして,和服を着るだけで涼が取れる.
【食】和食(日本料理)が,日本人の伝統的な食文化としてユネスコの無形文化遺産に登録された.
ヘルシーな和食は,海外でも大人気.
【産】ホワイトカラーの仕事は,メンタル面では暗黒カラーになることが多い.
鬱病で休職する労働者は50万人を超えており,全労働者の1%を占める.
健全な精神は健全な身体に宿る,とユウェナリスは言う.
自然を相手に,健全な身体を使って勤労する第一次産業が脚光を浴びている.
農業や漁業を職業に選ぶ若者が徐々に増えてきた.
若者は時代の変化に敏感である.
時代は回り,時代は巡る.
巡り巡って,日本人だから米を食べるというごくごく自然の行動が,純粋に数値として現れたのか.

いずれにしても興味深いデータである.
本学でもパン派,ごはん派の調査をして,割合を比較してみたい.

| 朝食プロジェクト | 21:53 | comments (x) | trackback (x) |

  
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