子吉川レガッタ2013に向けて(3)
市民レガッタで使われるナックル艇は,漕手4名,舵手1名の5人乗りとなる.
船首から,バウ,2番,3番,整調,コックスの順に着座する.
コックスの指令のもと,4人で一体になってボートを漕ぎ進めるが,ポジションによって微妙に役割が異なる.

ポジション別の役割について,印象を交えながら考えてみたいと思う.
まずは,船首のバウから.

競漕用のボートは,座席が前後に移動する構造になっている.
スランディングシートと呼ばれ,足の筋力を使ってボートを漕ぐことができる.
一方,スライディングにより漕手の体重が前後に移動するため,ボートには縦揺れ(ピッチング)が発生する.

ボートの横揺れ(ローリング)は,バランスを意識して漕ぐことで抑制できるが,ピッチングは絶対的に発生する.
ピッチングを避けて漕ぐと,スライディング幅が小さくなり,ストロークレンジ(漕ぎ幅)が確保できない.
したがって,艇速を上げるためには,ピッチングよりスライディング幅を優先する.

この影響をダイレクトに受けるのがバウである.
ボートの上下動が最も大きいポジションである.
ゆえに,漕ぐのが最も難しく,技量が求められるポジションでもある.

コックスからは最も遠いが,コックスと挟むようなかたちで,クルー全体が見渡せる.
漕手の一員ではあるが,場所的に全員の漕ぎが観察できる.
時には,コックスが気付かない点を,漕手に指示する役割を担う.

あと,漕手は後ろの人から見られているという意識が働くが,バウに関してはこれがない.
コックスからも遠いので,オールの動き以外は,ほとんど見えない.
したがって,見られなくても力が出せる強い精神力が求められる.
唯我独尊で我が道を行く研究者タイプが適任だろうか.

初心者では,腹切りに最も注意しなければならないポジションだ.
重量があるナックル艇は惰性が強い.
腹切り後にオールがすんなり水から抜けてればいいが,抜けない場合は,落水の危険と隣り合わせになる.
バウ以外のポジションでは,後ろの人が盾になってくれる.
だが,バウは後ろには誰もいない.キャンバスが広がっているだけ.
特に艇速が増すレース中の腹切りには,十分に注意しよう.

というこで,バウに求められる資質としては,高い技術力,見られていなくても力が発揮できる能力,そして観察力が求められる.
あと,ボートの喫水バランスとの関係で,体重は軽いほうが良い.

| ボート | 19:40 | comments (x) | trackback (x) |

  
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