HOME ■秋田県立大学HP ■生物資源科学部

バイオテクノロジーセンターの紹介

 21世紀は人類が日常的に科学の成果を大いに享受しているとともに、食糧の供給と安全、環境の汚染と保全、石油資源の枯渇など、早急に対策を要する難問にも直面しています。こうした背景のもと、バイオ研究への期待がますます高くなっています。ヒトやイネなどの生物のゲノム情報が完全に解読され、遺伝子組換え技術が確立し、タンパク質などの生体高分子の構造と機能が解明されて、生物の機能をトータルに明らかにし、その力を活用する道が大きく開かれてきました。実験手法は高度化し入手できる情報は膨大になってきていますが、これらを共有・活用することによって、科学者が取り組むことができる範囲は以前に比べて驚くほど拡大しています。今日ほどバイオテクノロジー研究に大きな期待が寄せられている時代はありません。

 秋田県立大学では、バイオテクノロジーセンターを設立し、バイオテクノロジーに関わる研究・教育活動を推進するための独自の活動を展開しています。また、バイオテクノロジー研究に必要な解析の受託サービスを学内外のユーザーに開放しており、約10年間の受託実績を重ねてきました。

 バイオテクノロジーセンターは当初科学技術振興機構と提携して、DNA塩基配列の解析を受託するサテライトラボとして、2001年に設立されました。その後、遺伝子組換え植物の作製と解析、DNA多型解析など、受託解析の範囲を広げてきました。今日まで他大学や国公立の研究機関はもとより民間会社や個人からも受託を広く受け入れています。独自に作成したマニュアルによって熟練したスタッフが解析とユーザー対応を行っています。運営には当大学の専門分野が異なる教員が関わり、スタッフを指導・アドバイスしています。
 2008年度からは大学独自の運営を本格化し、バイオテクノロジーセンターを全国や地域に開かれた知の拠点として一層活動を推進させてきました。こうした実績を踏まえて、2010年10月から、生物資源科学部の正式な組織としてスタートし、一層活動を推進させることになりました。

目 標

 バイオテクノロジーセンターは受託運営活動を通じて、以下の目標を掲げています。

1.研究を効率化、集約化させて学内の研究活動を活発化させる。
2.学内外のユーザーとの交流を通じて、新技術の開発を図るとともに、共同研究を発掘し実施する。各種プロジェクトに応募し、外部資金を確保する。
3.学部および大学院学生のバイオテクノロジー実験・研究をサポートし、教育効果を一層高める手助けを行う。また、学術的のみならず、実践的な講習・研修を行うことで高度職業人をめざした教育の一翼を担う。
4.大学、公設研究機関、民間企業などに対しても受託解析のほか、技術・研究相談にも応じる。また、企業との事業提携を通じてサービスを向上させる。とりわけ地域社会に対して開かれたセンターとなり、知の拠点としての役割を果たす。
5.バイオテクノロジーに興味を持つ小中高生徒や教員、社会人に見学や講習を行い、バイオ研究の現場を紹介し、体験する機会を与える。

特 長

 生物資源科学部には広範囲にわたって生命科学各分野の専門家が活動しています。これらの教員や技術職員は、センターのユーザーであると同時に、センターに寄せられる相談や疑問に対して良いアドバイサーともなります。大学は科学技術に関する全国レベルのネットワークの一翼も担っているので、最新情報を受託サービス内容に反映させていきたいと考えています。
 大学は研究機関であるばかりでなく、地域や全国に開かれた教育機関としての重要な任務も担っています。ユーザーから寄せられた疑問や相談に対しては、裏づけとなる情報やデータをもとに、応えようと努めています。バイオテクノロジーの研究手法に未経験のユーザーにも進んで対応します。今後は、技術講習会やセミナー等も実施する計画です。
バイテクセンターでは、受託事業を担うばかりではなく、自ら研究の高度化を図り、重点研究課題を推進していきます。