秋田県立大学 地域連携・研究推進センターHOME研究紹介

森林生態系の相互作用網をほどいてみる
―小さい野ネズミと大きな樹木の関係ー

生物環境科学科 准教授 星崎 和彦

今進めていること

植物と植物、植物と動物どうしといった相互関係をもとに、森林という生態系のバランスを将来も保つためには何が大切かを探っています。

少々詳しく言うと・・・

トチノキは、実生(芽生え)にとって好適な場所にネズミが種子を運ぶことで更新(世代交代)します。その種子の食べられ方は、同じ林に生育するブナの種子の豊凶によって劇的に変化することが明らかになりました。ネズミは年により個体数が大きく変動しますが、特にブナの豊作は、翌年のネズミの個体数を大きく増やすことが分かってきました。

ここまで到達したい!

では、樹種の多様性が高い森林では、動物の個体数はどのくらい変動するのでしょうか? ブナ以外の他の種子があるおかげで個体数が安定する(=暮らしやすい)ことはないのでしょうか? これらに答えるために、ネズミの越冬・繁殖状況や種子の栄養価の違いを明らかにしたいと思っています。

おまけの一言

森林に暮らす生き物たちは、それぞれが複雑な相互作用によって結びつき、生態系全体を構成しています。紹介したトチノキの種子も、古来より、ヒトにとって薬にも食糧にもなる重要な樹木でした。様々な恩恵を与え続けてきた森林を将来も大切にしたいものです。