秋田県立大学 地域連携・研究推進センターHOME研究紹介

"安心、安全、環境”の時代の植物病害対策!
−野外微生物の生態を科学する−

生物生産科学科 教授 古屋 廣光

今進めていること

 有用植物の病気を、栽培者にとっても消費者にとっても、そして環境にとっても優しい方法でコントロールするための基礎研究をしています。

少々詳しく言うと・・・

 植物の病気は伝染法によって土壌伝染性病害と空気伝染性病害に分けられます。土壌伝染性病害は病原菌が土の中に生息しておもに根を侵しますので、防除がとても大変です。この病原菌の生態と病気の発生生態の解明が主な研究テーマです。現在、最も力を入れているのが、遺伝子技術を生態解明に取り入れる研究です。これによって、例えばウリ類ホモプシス根腐病という病気の病原菌をいままでよりはるかに短時間で土壌から検出できるようになりました。もうひとつ力を入れているのが、空気伝染性病害の発生を主に気象データのモニタリングによって予測する方法の開発です。これによって、より科学的で効果的な病害管理ができるようになることを目指しています。

ここまで到達したい!

 土壌伝染性病害の対策の基本は土壌中の菌密度を上げないことです。そのためには病原菌の活性を知ることが大事です。しかし土壌中には極めて多くの微生物がいますので、そのなかで特定の微生物(病原菌)だけを検出するのは容易ではありません。そこで、私たちのグループでは、遺伝子診断技術を駆使して土壌中の病原菌の活性を調べています。近い将来、遺伝子診断によって、微生物的に”よい”土と“わるい”土が判断できるようになることが目標です。現在は、ウリ類、ダイズ、イネなどを対象として、その評価技術をつくるための基礎研究を行っています。
 空気伝染性病害の発生予測では、すでにネギ(さび病)やトマト(斑点病、葉かび病など)の病気の予測モデルを作りました、今は、その実用性を追求しています。

おまけの一言

 研究課題は秋田県を中心に東日本の畑や水田で探していますが、病原菌の生態解明や病気を防ぐ方法は世界を視野に入れて考えています。特に、分子生物学的手法は微生物生態の解明にとても有効ですのでこれを駆使することで新たな展開ができると思っています。ぐ方法は世界中を視野に入れて考えています。