秋田県立大学 地域連携・研究推進センターHOME研究紹介

集合最適化におけるスカラー化手法について

経営システム工学科 助教 荒谷 洋輔

今進めていること

ベクトルの集まり(ベクトル同士は一般に比較できない)である集合を、適切なスカラー化関数で評価(比較)できるようにする研究です。

少々詳しく言うと・・・

例えば、2次元ベクトル
 a=(1,4), b=(3,5)
は比較はできません。しかし、順序錐
 C={(x,y)|x,yは共に0以上の実数}
を考えると、この順序錐を使って
 a≦(C)b ⇔「b-a」がCに含まれる。
と比較できるようになります。
(注:それでもベクトル同士が比較できないこともある)
上記のように、ベクトル同士で比較して最適な解を見つけることをベクトル最適化と言い、ベクトルを集めた集合同士で比較して最適な解を見つけることを集合最適化と言います。

<具体的な例・サッカーの場合>
「各選手の能力」(ベクトルで表現される)は足の速さ、パスの上手さ、シュート力、守備力・・・などと様々な要素があり、単純比較はできない。集合最適化は、様々な能力をもつ選手が集まる「チーム(の能力)」を比較することに相当する。

ここまで到達したい!

私は近年の研究において、集合どうしがある順序錐で比較できる場合(具体的な例として、上記の2つのサッカーチームの比較など)、非線形関数でスカラー化する(上記の例では、2チームの優劣を数値化する)理論がほぼ完成しました。(下図を参照)

この上記の理論は、多変量解析などのデータ解析の理論に大きな影響を与える可能性があると私は考えています。

おまけの一言

集合最適化は、生まれてから20年程しか経っていない非常に新しい分野です。よって、日本国内で集合最適化を研究する大学は大変少なく、東北地方でこの分野を研究している大学はここだけです。