秋田県立大学 地域連携・研究推進センターHOME研究紹介

木の複合高次構造を活かした木質材料の開発

木材高度加工研究所 准教授 足立 幸司

今進めていること

大変形が許容可能な(可撓化・バネ化)木材・木質材料を作る研究をしています。

少々詳しく言うと・・・

従前の木質材料開発は、木材への樹脂含浸や細胞壁の圧密化による硬質化・高強度化をを主体的に取り組まれてきました。これは、柔らかいものを硬くしたり、弱いものを強くしたり、という短所の改善をするためです。しかし、植物が海から陸に上がってからの4億年の進化史で、樹木は繊維強化複合構造→マルチラメラ構造→セル構造→年輪構造(円筒構造)という高次の傾斜構造を組み合わせて、本来、硬質・高強度な結晶セルロースを柔らかくする力学構造を獲得してきました。私は、木材や木質材料をもっと柔らかくする、バネのようにすることもできるのではないか?という着想から、新しい素材作りにチャレンジしています。

ここまで到達したい!

例えば、木が燃えるというのも、火事で燃えやすいから困る一方で燃えやすいから便利とも言えます。木が腐るのも、腐ったら困る一方で生分解性が高いので優秀とも言えます。このように材料特性というものは見方が変われば長所にも短所にもなります。木材をポジティブに使える分野を広げるために新素材・新技術の研究開発を積み重ねて、「環境に優しいから選ぶ」だけではない素材にしていきたいと思います。

おまけの一言

木材は、日本が例外的に100%自給できる天然資源です。現在は、輸入材と較べてコストや供給安定力に問題はありますが、どうすれば国産材をもっと身近に使ってもらうことができるかを様々な立場の人が取り組んでいます。私は、これまで木材に興味がない人たちや、将来を担う若者や子供たちに木と森に関心をもってもうためには、驚かせたり笑わせたりすることが一番だと考えています。素材の表現力の幅を拡げる技術開発があってもいいのではないか、とも思い今の私にできることとして、新素材の開発から家具・インテリアとしての実用展開に取り組んでいます。