秋田県立大学 地域連携・研究推進センターHOME研究紹介

プラスチックの塑性加工と水分吸収

機械工学科 助教 境 英一

今進めていること

塑性加工した高分子材料の水分の存在状態分析とその応用による変形構造解析への試み

少々詳しく言うと・・・

塑性加工(圧延、押出など)は、一般に材料を強くすることができ、また、他の加工法に比べて加工時間を短くすることも可能で、かつ材料を除去する必要がないことから、環境に優しい加工技術と言えます。しかし、それに伴う高分子の(塑性)変形の詳細なメカニズムは未だに解明されていません。一方で高分子材料の水分吸収は強度の低下や劣化の原因となることが知られていますが、加工した高分子製品を使用する上で環境水分の吸収は多くの場合、避けられません。このため加工した材料の品質に及ぼす水分吸収の影響を分析する上で、中の水分がどのように存在しているかを評価することが重要です。そのような水分の存在状態は、高分子の微細な構造に強く影響を受けます。逆に言えば、水分の存在状態を分析することで、単純な水分吸収の影響評価のみに止まらず、変形による高分子の微細な構造変化についても詳細な評価が可能となります。

ここまで到達したい!

現在、電気自動車の台頭などにより、金属に比べて軽量かつ成形性が良いプラスチックには強度や耐久性の向上のような要求がますます強くなっています。したがって、環境に優しく、さらに性能を向上させることができる塑性加工技術についても、今後の発展がますます望まれます。本研究によって得られる成果は、新しい材料の設計や開発において、強度や耐久性を向上させるための指針になると考えています。

おまけの一言

現在、生分解性プラスチックなど、様々な新規材料が提案されていく中、耐久性はますます重要なキーワードになるはずです。