秋田県立大学 地域連携・研究推進センターHOME研究紹介

昆虫の行動を制御する昆虫・植物由来の生物活性物質

生物生産科学科 助教 野下 浩二

今進めていること

害虫や天敵昆虫を誘引する物質の探索・構造決定を行っています.また,殺虫活性のある天然物の探索とその作用機作の解明に取り組んでいます.

少々詳しく言うと・・・

農地周辺の植物上に生息する害虫や天敵昆虫は意外と多いです.これらの害虫を農地周辺にとどめ農地への侵入を抑えたり,天敵昆虫を積極的に農地に呼び込むことができれば,自然の特性を活かした害虫防除技術のひとつになると考えられます.昆虫の多くは,植物の匂いや味により誘引される,定着する,避けるなどその行動が決まります.このことを利用して,植物成分中から害虫や天敵昆虫を誘引する物質を探しています.

また,植物や昆虫は,有毒な物質を生産・蓄積し,自分の身を守ることが知られています.こういった物質の中には,殺虫活性のあるものも含まれます.天然から新しい殺虫成分を見つけ,それがどのように昆虫に影響を及ぼすかを調べることで,新しい殺虫剤開発に繋がると期待し研究を進めています.

ここまで到達したい!

植物と昆虫間もしくは昆虫どうしの相互作用の中で,特に昆虫の行動をコントロールする化学物質に着目し,その構造や機能を明らかにしていくことで,自然生態系での生物間相互作用という現象を「化学」的に記述していきたいです.その中から,安定した農業生産に役立つものを作り上げることができれば,なおうれしいです.

おまけの一言

研究は,道無き道を進むようで,なかなか思うように進まないこともありますが,その分,新しい発見があったり,光明が見えた時の喜びは格別です.そういった研究の楽しさや,やればやるほどやめられない奥深さを学生さんと分かち合ったり,学外の人にもうまく伝えられればと思っています.昆虫や植物といった我々に身近な存在であっても,意外とわかっていないこともまだまだたくさんあります.そんな中から,アッと驚く現象やへぇ〜と思える事柄,ヒトの生活に役立つ(かもしれない)材料を見つけたいと思っています.