秋田県立大学 地域連携・研究推進センターHOME研究紹介

“微生物代謝の科学:生合成と生分解”
  ー放線菌の高度利用を目指すー

応用生物科学科 准教授 春日 和

今進めていること

放線菌は種々の抗生物質を作ることで知られています。私たちは、この放線菌の高度利用をめざして遺伝子工学研究を行っています。
1. 抗生物質カスガマイシンの生合成系の解明と異種微生物での高度生産系の構築;
2. 木質バイオマスを糖化することのできるセルロース分解酵素の探求;
3. 放線菌を宿主としたダイオキシン分解菌の創製;
に取り組んでいます。

少々詳しく言うと・・・

1. 抗生物質カスガマイシンは、いもち病用の農薬として広く使用されています。この物質は放線菌S. kasugaensisにより生産(生合成)されますが、私たちはこの生合成遺伝子系を解明するとともに、これらの遺伝子群を異種微生物に導入して、カスガマイシンを高度に生産する菌を作製しようと考えています。
2. 木質バイオマスのうち40%はセルロースであり、これはグルコースが多数連結した高分子です。現在、このセルロースは資源として有効活用されていませんが、セルロースをグルコースに分解できる優秀な酵素があれば、セルロースの有用資源化を格段に押し進めることが可能になります。現在、そのための酵素を探索しています。
3. 放線菌にダイオキシン分解遺伝子群を導入することにより、ダイオキシン類を協力に分解できる菌の作製を試みています。

ここまで到達したい!

1. カスガマイシンの生合成遺伝子群を大腸菌など各種微生物に導入して、カスガマイシンを生合成できる菌を作製したいと考えています。このためには、カスガマイシンの生合成に必要な遺伝子発現を理解し、多数の遺伝子を活性型の酵素タンパク質として発現させる必要があります。
2. 現在、各種放線菌から強力なセルロース分解酵素を探索しています。この菌を用いればセルロースを原料とした各種有用物質の生産に利用できると考えています。
3. 実用化をめざして、実際にダイオキシン類を分解することが可能な菌を作製したいと考えています。

おまけの一言

強力にセルロースを分解し、エネルギー源・炭素源としてグルコースを利用できる放線菌でのダイオキシン分解や抗生物質生産にも取り組んでみたいと考えています。