DSCN1354.JPG緑膿菌の色素産生
1.tif緑膿菌の膜タンパク質の二次元電気泳動
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DSC_0919.JPGセラチア菌の色素産生
DSC_0076 のコピー.JPGアオコ採取中

緑膿菌の生存戦略の解明とその応用に関する研究

緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa )は、土壌や水など広く環境中に存在する好気性グラム陰性桿菌です。感染防御能の低い高齢者や小児、火傷などで一時的に免疫力の低下した場合などに感染症を引き起こします。薬が効きにくいため、一度感染症に罹患すると死に至ることもあります。緑膿菌の薬剤排出システム(Multi Efflux Pump system, MEXシステム)や低分子化合物を利用した細胞間情報伝達機構(Quorum Sensing system, QSシステム)、バイオフィルム形成能などが薬剤耐性や病原性に関与していると考えられています。最近では、緑膿菌の産生する膜小胞が、情報伝達物質や病原因子、病原因子の遺伝情報などの運搬に関与することが示唆されています。そのため、膜小胞の機能性や病原性への関与を分子生物学的な手法で調べています。また、膜小胞には緑膿菌の細胞表面にある抗原と全く同じものである事から、これを安全なワクチンとしての可能性を検討しています。

八郎潟残存湖のアオコの消長に関する微生物の網羅的解析とその応用に関する研究

秋田県にある八郎潟残存湖は周辺からの生活排水や農業排水の影響などで富栄養化がすすみ、初夏から盛夏にかけてアオコの発生がみられ、周辺住民への悪臭被害や水産物への悪影響が出ています。しかしながら、ある時期を過ぎるとアオコが急激に減少することが観察されています。この現象を解明するために、通年にわたり採水しその中に存在する微生物を網羅的に解析することで、アオコの消長に関して新たな知見が見えて来ました。現在は得られた知見の確認と応用を目指して研究を進めています。

住環境における微生物による影響に関する研究

住環境は各家庭で様々であり、一つとして同じものがない個性ある微生物叢が形成されています。そこにはアレルギーの原因菌を含む場合もあるため、住環境の微生物叢を知ることは生活空間の総合的な評価の一つとなります。本研究はシステム科学技術学部との共同研究をしています。

その他

  • 新規鉄酸化細菌についての研究(ゲノム科学や新規酵素の探索など、生物環境科学科宮田研究室との共同研究です)
  • セラチア菌の色素産生機構に関する研究
  • 窒素固定菌の探索研究 など