研究内容の紹介


降水現象に関する研究
 日本各地で局地的な豪雨による被害が報告されていますが、近年秋田県でも大雨による災害が多数発生しています。例え
ば、2007年9月15日から18日にかけて発生した大雨では、北秋鹿角・仙北平鹿地域で総降水量が200mmを超え、土砂災害や
河川の氾濫、浸水害が発生しています。また、降水をもたらす雲の底面の高度(雲底高度)の変動は、飛行機の運航や気象災害
などの面から大変重要となってきます。

 
 私たちは、秋田県に降水をもたらす雨雲がどこで、どのように発達するか?地形による影響はどうなっているのか? また、大
気現象と雲底高度の変動特性の関係を明らかにするための観測研究を行っています。



     
 2008年07月28日10時40分に秋田地方気象台の気象レー
ダで観測されたレーダ反射強度(気象庁提供)の分布 です。 
 降水の強さを色で表し、強い降水を暖色系で示しています。

 強い降水は細胞状に分かれて分布しています。
 左の図の海岸線付近の降水が時間的に強くなるのか?面積が大きくなるか?などを調べた結果です。
 海岸線付近で降水が強く (楕円中心の点の色が赤く)、面積(楕円の大きさ)が大きくなっていることがわかります。
 図をクリックすると大きな画像が見られます。  図をクリックすると大きな画像が見られます。



 2004年8月31日に秋田付近を通過した台風0416号は台風の眼が観測地上空付近を通過したため、台風の眼の中の雲を観測することができました。
 上の図は、2004年8月31日09時の気象衛星赤外画像画像です。
 台風0416号をシーロメータで観測した雲底高度の時間変動です。
 台風の接近につれ雲底高度は下降し(10時まで)、離れるにつれ上昇しています(13時以降)。10時から13時までに見られる雲は、台風の眼に相当する場所に積雲が存在したためと考えられます。
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