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秋田県立大学アグリビジネス学科

先進作物生産技術開発プロジェクト

先進作物生産技術開発プロジェクトとは?

先進作物生産技術開発プロジェクト(作物プロ)では、イネ・ムギ・ダイズを主とした広い土地を用いて生産する作物(土地利用型作物)の生産に関する教育・研究を行っています。3年次にはこれらの作物を実際に秋田県立大学フィールド教育・研究センターで栽培・収穫し、農業生産の場を擬似体験することで、これら作物を栽培・収穫する上での基礎的知識や問題点などを実践的に学びます。また、栽培技術管理の情報化に伴い必要とされてきている機械・情報工学の知識などについても学びます。4年次には3年次の経験などから、各自興味を持った分野のテーマを見つけ卒業研究に取り組みます。フィールドとそこで営まれている農業という現実の体験を踏まえた上で専門的な研究活動を行うことで、学生は有機的な社会と農業のあり様を学び、農業生産の向上に寄与する課題発見・解決能力を身につけることが期待されます。

プロジェクトの概要

先進作物生産技術開発プロジェクト(作物プロ)はアグリビジネス学科とアグリイノベーションセンターの教員、3年生4年生で構成されています。
3年次のプロジェクト活動(実習、演習・実験)では稲作・畑作を行うことによって、作物栽培・農業技術・農業機械などに触れ、それらの学習を行います。
稲作では、あきたこまち、めんこいな、秋田酒こまちなどを栽培しています。畑作ではダイズとムギ類と緑肥作物の輪作を行っています。これらの実習の中には農作業だけではなく、作物をよりよく理解するために生育・収量調査なども含まれています。また地域の農業や資源への理解を深めるために、毎年地域農業研修として農業法人等を訪問し、実際の農業者様等とふれあう時間を作っています。これらの学習内容は毎年1月に開催されるプロジェクト活動報告会で報告します。
実地の農業・関連産業や地域資源に触れ、そこから考え・意見をまとめ、問題発見能力を培います。さらに発見した問題を科学的思考方法や専門的知識により解決する能力を養うことが作物プロの教育の目標です。

稲作イメージ画像

[フィールド教育センター圃場]
収穫期のあきた酒こまち

畑作イメージ画像

[フィールド教育センター圃場]
旺盛に育っているダイズ(リュウホウ)

プロジェクト卒業研究

3年次までの学習内容やプロジェクト活動を通しての経験などを活かして、4年次の専門分野を選択します。卒業研究では、その分野の指導教員と相談し、自分の興味のあるテーマを選びます。ここ数年のテーマとその内容を紹介します。

  • 「あきたこまちの心白様突然変異体の単離と白濁要因」(大依 宇)
    突然変異体を用いて心白を形成する遺伝的調節機構の解析を目的とした研究は少ない。そこで、心白様の白濁を形成する突然変異体を単離し、心白様突然変異体の形態的、遺伝的特徴を同定した。

  • 「イネの乾田直播栽培における出芽率の安定化を図るための研究」(田中 佳奈子)
    乾田直播栽培では出芽が安定しないことが問題となっている。本研究では、種子処理による出芽率の向上と町外抑制に有効な方法を検討した。

  • 「ヤハズエンドウの生育特性に関する生態学的研究」(藤根 裕太)
    畑雑草のヤハズエンドウを効率的に防除する上での基礎的な知見を得るため、本種の種子の貯蔵条件の違い、また、貯蔵中の湿度の変化が休眠覚醒に及ぼす影響を調査した。

  • 「乾燥土壌でのダイズの出芽・幼植物の成長に関する研究」(佐藤 志哉)
    本研究では、ダイズの栽培において単位面積当たりの出芽数を確保し、安定した収量を得るために、乾燥した土壌での出芽・幼植物の成長がどの様に行われているかを明らかにすることを目的とした。

  • 「コガタルリハムシの人工繁殖に向けた生態学的研究」(小松 海)
    コガタルリハムシは雑草のギシギシ類を摂食するため、生物的防除への活用が期待される。本研究では、給餌と休眠に関する試験や餌となるギシギシ類の発芽・出芽試験を通じて、本昆虫の人工繁殖に必要な情報を得ることを目的とした。

  • 「マガモ農法におけるドローン給餌による行動制御手法に関する研究」(落合 駿介)
    マガモ農法では行動制御手法を確立することで踏み池の形成や不均一な除草といった問題を解決することができる。そこで、本研究ではマガモ農法において粒剤散布ドローンを用いた餌の空中散布でのマガモ農法を実施し、マガモ農法でのドローンを利用した省力制御法について検討した。

  • 「低コストRTK-GNSSの性能評価に関する基礎的研究」(坂口 大征)
    RTK-GNSSを利用した自動運転アシストに導入が全国で行われている。しかし、高価格なため一般の農家には手が出しづらい。本研究では、低コストRTK-GNSSの性能評価を行った。

  • 「畑地と水田における除草ロボットに関する基礎研究」(阿久津 雄大)
    農業ロボットにおける完全無人作業は大幅な労働力削減になる。そこで、本研究では畑地で無人走行ロボットの走行試験とその除草能力の試験を行い、水田ではホバークラフトを利用した濁水での除草効果を検討し、その有効性を明らかにした。




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