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地域ビジネス革新プロジェクトの教員が日頃考えていること、研究成果や取り組み、学生たちとの日常についてご紹介いたします。

2022.09.30 AM 12:31

興味深く読んだ本

ぜんぜん更新していませんが、以前に残念だった本を書きましたので、今回は大変興味深く読んだ本について書きたいと思います。

鮫島浩『朝日新聞政治部』講談社

著者が朝日新聞にスキャンダルに巻き込まれる経緯が、いちおうこの本のハイライトということになると思いますが、その前段の、政治記者として活躍の幅を広げてゆくところが、迫力がありました。政治家に媚びてすり寄るのではなく、当意即妙な受け答えでうならせることで、取材できるような関係を作ってゆく様子が描かれています。そういうことをする才能は、自分には全くないと感じます。また、私も数えるほどの回数ですが、大手新聞社の方の取材を受けたことがあるのですが、そこで受けた印象ともまた違っていて、新聞記者というのは、こういう人種かと認識を改めました。それに、取材を受ける政治家の方も、記者への接し方や与える情報によって、自分に有利な状況を作り出すための情報操作をおこなう様は、結構衝撃でした。

ただそれは、政争のためのスキルであって、そのような才能を備えているのは、うらやましくはないし、政治家がもっと政策の内容に力を注げるような環境になった方がよいのでは、と思います。また、この本で巧妙な情報操作をしている様子が描かれている政治家でも、読む側は最後は政争に敗れて政界を去ったという結果を知っておりますので、何かむなしい感じはいたします。でも、テレビの釈明会見ばっかりみていると、政治家というのはもっとうまい言い訳くらい出来ないのかと思ってしまいがちですが、本当は高い能力のある抜け目のない人たちなのだろうな、というようにも思います。

昔、『こちら大阪社会部』という漫画を読んだことがありますが、こちらもおもしろかったです。新聞記者ものは好きです。こちらは、名前の通り社会部所属の記者が主人公で、取材対象は主に警察です。こちらにも、夜討ち朝駆けで警察官の懐に入り込み情報をとる様子は書かれていましたが、『朝日新聞政治部』の方が、政治家や官僚と付き合う様子は迫力がありました。

それが、政治部と社会部の違いなのか、ノンフィクションとマンガの違いなのかはよくわかりませんが・・

農業経済の本でなくてすみませんが、おすすめいたします。

あとどうでもいいことですが、私の師の太田原先生は「ハイライト」という言葉をよく使っていました。私もはじめて使ってみた。

カテゴリー: 教員の活動