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地域ビジネス革新プロジェクトの教員が日頃考えていること、研究成果や取り組み、学生たちとの日常についてご紹介いたします。

2018.01.23 AM 11:14

パワポのアニメについて

先日、3年生の発表会を準備するためのゼミで、パワーポイントからアニメーションを除くように言いました。

誤解される言い方をしてしまったと思うのですが、言いたかったのは「今まで指摘したところが直っていないけど、そんなことはどうでもよくなるくらいアニメーションの濫用がひどいのでそっちの方をなんとかしてほしい」ということです。「アニメーションをやめるように前から言っているのに直っていない」という意味に受け止められてしまったかもしれません。私も考えていることを理路整然と話せるわけではないので、申し訳なく思います。

それで、どうしてアニメがよくないのかですが、表示されていなかった文字がアニメで登場してくるタイプのものに関していうと、最初から全ての情報を出す方が聞いている人は理解しやすいからです。いま説明している部分を示したいのであれば、指示棒で指すかそれがなければレーザーポインターを使えばよいのであって、スライドにある情報を断片的に表示してゆく必要性はありません。

全ての情報を表示することが重要なのは、口頭での説明がわかりにくいからということもあります。台本を読み上げているような説明では頭に内容が入ってこないので、そのような時は、パワーポイントに表示されている文字からもより多くの情報を得たいと思います。

プレゼンテーションの達人といえる域に達し、1つのプレゼンに数ヶ月の準備ができるような場合は、アニメーションを効果的に使うような話し方ができるかもしれません。しかしそれは、スティーブジョブズぐらいのレベルの話であり、プレゼンの専門家ではない私にはそのレベルのことは教えられないし、プレゼンの内容である研究そのものをよくすることに時間を使った方がよいと思います。

情報を小出しにした方がよい理由がある場合には、アニメを使うのもよいでしょう。例えば、授業で「野菜と果物の違いはなんだかわかりますか?」というスライドを見せ、学生何人かにどう思うのかを聞いたあと、「正式な定義はありません。農水省の統計での扱いは~~~」といった答えをアニメで表示させるような場合です。

学生に考えを聞こうとしているのですから、答えを最初から表示しないことには必然性があります。アニメではなく答えを次のスライドで表示してもよいかもしれませんが、そのくらいのことは説明のしやすさや好みで決めればよいでしょう。

積極的に情報を隠した方がよい理由がなくても、最初から表示されている文字を強調するために、枠線や背景色を変えるアニメを使うというのはあるかもしれません。この場合は、情報を小出しにする度合いが小さくなりますが、この文字に注目してほしいというのもパワポで伝えたい情報の1つですから、やはり情報の後出しということにはなります。

話し方の流れに自然にアニメに目が行くような工夫をした上で、最適なタイミングでアニメを動かすための練習をすれば、効果的に使える可能性はあるとは思います。

パワポのアニメについては、インターネット上でも書籍でも、「効果的に使いましょう。しかし、使いすぎは逆効果です」という説明がみられます。私から見れば、この説明だけでは全く不十分です。

頻度さえ抑えればどこで使ってもよいというものではなく、アニメを使って伝えるのが効果的な内容というものがあるのではないかと思うからです。アニメはどのような場合、どのような内容を伝えるために使うのがよいか、使う場合はどのようにするのが効果的なのかを書いたものはあまり見かけません。この点について自分なりに考えたことを書いたのが、ここにある文章です。

以上のように、私はパワーポイントでアニメーションを絶対使ってはいけないと考えている訳ではありません。先日のゼミで「できればでなく絶対やめてほしい」と言ったのは、T先生が「時間もないので、できるだけ消せばいい」というようなことをおっしゃったので、今回のアニメーションについては、このようなものを1つでも残されてはたまらないと思い、そのような言い方になってしまいました。

いずれにしても、アニメーションを使うのであれば、そうしなければならない必然性をよく考えて使ってほしいと思っています。

 

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