みんな建築とはいつ出会うんだろうか。毎日建築空間で生活しているわけだが,それを学問として,あるいは芸術の一分野,として意識しはじめるのはいつからだろうか?建築について学ぶ機会は,高校までにはないことに,大学で建築を学び初めて気づかされる。実際僕も,建築に進もうと決意したのは高校2年の秋のことだった。
電車が1時間に1本という,まあ本荘と同じか鉄道の便ではちょっといいくらいの町,鴨川市の高校に通っていた僕は,その日いつも帰りに乗る列車に掃除当番で乗り遅れてしまい,駅前の本屋さんで立ち読みをはじめた。このころ,進路をどうするか,あまり成績の良くなかった僕(高校になってからずるずる落ちて,もうすんごい悪かったのだ...)は,さてどうしようかと考えながら,何気なく手にした重たい雑誌が「新建築」だった。そこには,ど田舎にはみられない,ちょっとかわった建物が,沢山載っていたが,そのなかでもインパクトを受けたのは,T.A.(なぜ匿名かというと,まあいろいろ現在活躍しているひとの個人名をだすのも,まずいかもしれないなと思って...ちなみに東大の先生になった世界的に有名な関西の建築家です)の作品だった。コンクリート打ちっ放しのシンプルで明快な空間。光と陰によるしぶ〜い空間にみせられた僕は「これはもう,建築やるしかないでしょう!」と思い,その後浪人したりして,なんとか私立の建築学科に入ったのだった。ちなみに父が大工の棟梁なので,多分建築に進むということが決まったときは,うれしかったんじゃないだろうか。(でも小さいころは電車の運転手になりたかった。今でも鉄道が好きだし,乗り物全般が好きだ。特に昨今のリニアモーターカーの成功には感激している)
ちなみに建築を目指したきっかけの建築家がT.A.である,というのは,多分50代くらいの先生には,衝撃(?)ではないかと思う。多分そのくらいの先生方は,今活躍している建築家達が,建築を目指したきっかけとなった,おそらく戦前から活躍している建築家達ではないだろうか(だれなのかは,各自調べてみよう)(大学時代へ続く) |