子吉川レガッタ2014観戦記
念願の優勝杯を手に入れた.
ウイニングローで帰還する壮年女子Aクルー.



子吉川レガッタが9月7日,子吉川漕艇場において開催された.
35回目の記念大会となる本レガッタには,95クルーが出漕した.
本学からは5クルーが出漕し,以下の成績を残した.

壮年女子 Aクルー   優勝
成年男子 経営クルー 4位
成年女子 Uクルー   準決勝2位(ベスト16)
壮年男子 Pクルー   準決勝4位(ベスト16)
成年男子 建築クルー 準決勝4位(ベスト16)

朝から雲ひとつない晴天が広がっていた.
風もなく,水面はフラット.
絶好のレガッタ日和であった.

7時半に集合し,テントの設営を開始した.
今回は場所取りの際に,少々誤算があった.
5分前行動の重要性を再認識しつつ,猫の額ほどの陣地にテントを張った.

8時から行われた開会式には全員で出席した.
本年度の全国大会は大潟村で開催される,
3年後の平成29年には由利本荘市が会場となる.
全国大会に向けて,アクアパルの整備が進んでいる.
今年は新艇が6艇追加され,全て新艇でのレースとなった.
オールも一部新調されていた.
シャフトのカーボンが軽量化され,持ち味抜群.
ただしブレードは,旧式のマコン型であった.



子吉川レガッタは,5分間隔でレースが行われる.
4レース毎に艇を入れ替えるため,桟橋蹴り出しは20分前になる.
それまでに配艇所で受付を終わらせる.

トップを切ったのは建築クルー.
デビュー戦のため,なかなか息が合わない.
水面はフラットだが,スプラッシュを上げていた.
遠目にも漕ぎ辛そうに見えた.
だが持ち前のパワーで押し切った.
2着通過で敗復は免れた.



続いて経営クルー.
スタートから力強い漕ぎ.
後半も艇速がぐんぐん伸びる.
楽々1着でのゴールイン.



壮年男子のPクルー.
予選から熱戦となった.
整調は冷静にストロークを刻み,インペアが力強く押していた.
後半に入ってもスタミナ切れはなかった.
バウは余力を残していた.
2着で通過し,準決勝進出を決めた.



成年女子のUクルー.
大きく水を明けて予選通過.
2着と5艇身以上の差がついた.
後半は楽に漕いでいたと思う.



壮年女子のAクルーは,予選が運命の分かれ道.
3の1あがりなので,負ければ敗復に落ちてしまう.
壮年男子を含めて4クルーとも予選を一発で通過した.
必要以上にプレッシャがかかる.
隣には昨年度の優勝クルーが居座る.
大駒を寄せて受ける作戦は,果たして成功するのか.
あるいは単なる気休めの,まぼろし作戦に終わるのか.

5人中3人はレガッタ経験がある.
だがこのクルーでは初陣となる.
募る不安と迫る発艇時間.
スタート前の静寂な空気が流れていた.

ボートレースは発艇前に結果が決まっている.
仕事の合間を縫って積み重ねてきた乗艇練習.
十分だったか,まだまだ自己満足だったのか.
もう後戻りはできない.

スタートはスムーズに滑り出した.
半艇身ほどリード.
ストロークレートは36.
シェル艇なみのレートである.
半分の250mを過ぎてもリードは変わらない.
ストロークレートは33.
整調はレートを落とす気配がない.
高止まりにレートに,後ろ3人がついていく.
艇速は落ちず,差は縮まらない.
そのままトップでゴールラインを抜けた.
昨年度優勝クルーにとってはまさかの敗復落ち.
大駒を寄せて受け切った瞬間であった.



5クルーとも予選を一発で通過し,早めの昼食にした.
敗復レースを横目に,BBQを楽しんだ.
準々決勝のある成年男子から先に食べた.
たくさんの人たちが応援に来てくれた.
そしてたくさん差し入れをいただいた.
あっと言う間に胃袋が満杯になった.



準々決勝は建築クルーから始まった.
熱戦を制して2着で通過.
3着とは1秒差.
僅差の勝利で,一足先に準決勝進出を決めた.



経営クルーはトップで抜けた.
準々決勝でも圧倒的な力を見せてくれた.



壮年クルーの準決勝.
ここで,ダブルエントリに伴う問題が発生した.

壮年男子の4レース後に,壮年女子の準決勝がある.
艇の交代で入れ替わることができない.
補漕と交代するしか手段がない.
壮年男子の補漕は出張中である.
電話をしてみたが,秋田には戻っていなかった.

壮年女子で交代する場合は,年齢制限の関係上コックスになる.
体験会で漕いだ経験はあるが,コックスの経験はない.
壮年男子が棄権するという選択肢もあった.
だが今年の壮年男子はいつもとは違う.
全ての練習に参加したメンバもいる.

判断に迷っていたところ,補漕の胸に徽章が輝いていた.
これを見て,壮年女子の交代を決断した.

操舵術は陸上での講習のみとした.
曲がりたい方向にラダーロープを引く.
ドライブ中ではなくフォワード中に舵を切る.
発艇場所はフィールドスコープで確認した.
タイヤの間に艇を入れて,ロープをつかむ.

無風だった子吉川には,横風が吹き始めていた.
3レーンなので風の影響は避けられない.
絶妙なラダーワークが求められる.
応援に来ていたはずが,準決勝という大舞台で指揮を執る.
徽章を受け取った瞬間から,運命は遡及的に決まっていた.

壮年女子の準決勝のみ3の2あがり.
予定通り前半からリードしていた.
このまま漕ぎ切れば大丈夫と思っていた.
残り100mで最大の試練に直面した.

ゴール手前で強い横風を受け,船首が斜めになる.
3レーンから2レーンに向って艇が走り出す.
レーンを外れても,他艇と接触しなければ問題ない.
だが2レーンには,予想外に速い病院クルーがいた.
接触を避けるために,バウサイドに大きく舵を切る.
大蛇行するAクルーが遠目にもわかった.
思い切った操舵により,艇の接触は避けられた.
だがロスは大きかった.
3秒もの差を許し,2着でのゴールとなった.



Pクルーの準決勝.
今年は一体,何が起こったのだろう.
熟練クルーとしての,練達の境地なのか.
決勝進出は果たせなかったものの,想像以上の善戦であった.
固定メンバでの連続出漕を願いたい.
いつかは頂点に届きそうな勢いである.



Uクルーの準決勝.
持ち前のチームワークで,前半から好調に滑り出した.
中盤は横一列に艇が並ぶ.
後半に少しだけミスがあった.
素早く立て直したものの,トップは逃した.
準決勝は1あがりなので,一発勝負の厳しいレースであった.
整調以外は初のレガッタ参戦.
今年の経験を糧に,挑戦を続けて欲しい.



成年男子の出漕数は45クルー.
予選,敗復,準々決勝を経て,準決勝に残るのは16クルー.
子吉川は4レーンしか取れない.
したがって準決勝は4クルー毎のレースとなる.
各レースから決勝に勝ち残れるのは1クルーのみ.
トップでゴールを切らないと,決勝には残れない.

建築と経営の両クルーが,同組レースになる確率は4分の1.
4年前の準決勝,本学クルーが同組レースを戦った.
そして今年も同じ運命を辿ることになった.

同学年として互いに切磋琢磨し,練習を積み重ねてきた.
だが2クルーとも決勝には進めない.
レガッタで潰し合うことになった.
勝負の世界では避けられない現実.
お互いの漕力は十分に理解していたと思う.
後は他艇に先を行かれないようにするだけ.
厳しいレースであったが,経営クルーが1着でゴールした.
建築クルーは,殿(しんがり)を務めた.



決勝戦は壮年女子から始まった.
レーン抽選では1レーンを引き当てた.
対岸に面する1レーンは風の影響が最も少ない.
2レーンには昨年度優勝の熟練クルー.
敗復から勝ち上がってきた.
1レース分多く漕いでる.
十分体力を消耗しているはず.
スタートから逃げ切れば勝てる.

漕手は進行方向と逆向きに着座する.
他艇を見ながら漕ぐのは,心理面でのアドバンテージが大きい.
そのためにはスタートで飛び出すしかない.
僅かであったが,Aクルーが先頭に立った.
だが徐々に追いつめられた.
追い越され,徐々に差が開いてゆく.
テント前の250m地点では半艇身遅れ.
さすが何度も優勝を重ねているだけある.
安定した速さがある.
予選のような乱れもない.
僅差であるが,このまま逃げ切る作戦だろう.



Aクルーのコックスは冷静であった.
大局的な視点でレースを捉えていたのだろう.
また漕手の絶対的な漕力を緻密に把握していた.
さすが理工系の大学教員である.

レース中盤に脚蹴りの指示が入った.
レートを上げることなく水中を強調した.
徐々に艇速が伸び始めた.
トップとの差が徐々に縮まってゆく.
この脚蹴が実質的なスパートとなった.
パドルには戻さない.
レートも落とさない.
よくこれだけの力が残っていたものだ.
いやコックスは,余力を見抜いていたのだろう.
漕手は自己の限界を超えて力を絞り出す.
絞り出した力をオールを介して艇速に変える.

ゴール手前で見事に差し抜いた.

ルーキーの3番が真っ先に勝利に気付く.
つづいて大監督が優勝を知らせてくれた.
大会本部からの情報なので間違いはない.
優勝したことが選手全員に行き渡った.
タイムにして1.16秒差の勝利.
僅差で熱戦を制した.



最終レースは成年男子決勝.
8時半から始まったレガッタは66レース目を迎える.
最終レースだけに漂う独特の空気感.
太陽は傾き始め,風が弱まってきた.
41クルーを押しのけて決勝に残った4クルー.
準決勝では4クルーとも2分1桁台のタイムを叩き出している.

本学が成年男子で決勝に残ったのは4年ぶり2回目である.
4年前はレース途中でシートが外れてしまい,4位に留まった.
今回は全て新艇であり,そのような心配もない.
強豪ばかりだが,1艇でも抜いて入賞を目指したい.

決勝レースも5分間隔での発艇となる.
同じ時間の流れで,最終レースを飾る4艇がスタートを切った.
経営クルーは,予選,準々決勝,準決勝ともトップで漕ぎ切った.
積み重ねてきた練習と溢れる若さを示してきた.
だが,決勝レースは全く違ったようである.
スタートからリードを奪われた.
追いつく術がないまま,後半に差し掛かる.
他艇との差は全く縮まらない.
今までのレースが,夢まぼろしのように脳裏を霞める.
トップとの差は13秒.
これが実力であり,現実である.
圧倒的な力の差を感じつつ,4位でのゴールとなった.



閉会式では壮年女子が優勝杯を受け取った.
2008年より子吉川レガッタへの参戦を続けて7年目.
準優勝に甘んじること2年間
初めて手にした優勝杯.
出場枠は異なるが,悲願の勝利であった.



壮年女子Aクルー.



壮年男子Pクルー.



成年女子Uクルー.



成年男子経営クルー



成年男子建築クルー.



2014年度秋田県立大学クルー一同.



去年に引き続き,学生と教職員が一丸となってレガッタに挑んだ.
5クルー出漕は,過去7年間で最多数であった.
敗復戦に回らなかったのも今年が初めて.
2/3以上が初参加とは思えない.
そして全クルーが準決勝まで残った.
そのうち2クルーは決勝に進出した.
成年男子は2回目の4位.
壮年女子は悲願の優勝杯を手にした.

由利本荘市のボートのレベルは高い.
したがってこの地での勝利する意味は大きい.
由利本荘市で優勝すれば,全国大会でも十分に優勝が狙える.
昨年度は由利本荘市が全国市町村レガッタで総合優勝している.

本学クルーが全国大会に出場するのは初めてとなる.
来年度の全国大会は石川県の津幡漕艇場で開催される.
壮年女子から切り開いた全国への道.
成年枠や男子枠へと徐々に拡げていきたい.

| ボート:: | 10:32 | comments (x) | trackback (x) |

  
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