マシンローイング大会2013
鳥海山は山頂付近から雪を冠して冬の装いに変化し始め,麓まで紅葉が深まりゆくなか,マシンローイング秋田県大会が,由利本荘市アクアパルにおいて開催された.
秋田は冬の跫音が聞こえ始める時期であるが,まだまだ乗艇できそうな小春日和の天気であった.



本大会は,ローイングエルゴメータの公式記録会である.
秋田マシンローイング選手権大会としては6回目,全国マシンローイング大会B秋田県大会としては26回目となる.
由利本荘の地にキャンパスを構えて14年,本学から初めての出場となった.

参加者の大半は,中高ボート部の部員であった.
乗艇練習ができない冬場は,エルゴメータでの練習が中心になる.
オフシーズンを前に,漕力をタイムとして把握することで,来シーズンの目標設定や練習計画の立案に向けた指標となる.
また,全国ランキングから,自身の漕力を定量的かつ相対的に知ることができる.



高校女子,高校男子に続いて,10時から成年の部のレースがあった.
出場者は,本学の代表学生を含めて3名.
1名は秋田ゼロックス所属で,何度も国体に出場しているベテランの須田選手.
そしてもう1名は,スペシャルゲストとして参加した佐藤芳則選手.



佐藤選手は本荘高校出身で,日大ボート部を経て,現在は明示安田生命ボート部に所属している.
全日本選手権では数々の金メダルを獲得し,2007年の秋田国体ではシングルスカルで優勝,2010年のアジア大会では金メダル,2012年ロンドンオリンピックではナショナルクルーとして最終予選に出場するという漕歴を持っている.
ナショナルクルーの漕ぎを見ようと,たくさんのギャラリが集まる中,本部席から「Attention」「Go」の掛け声とともにレースが始まった.



通常は「がんばれ!」とか「もっと蹴ろう」「スパート」「ラスト何々メートル!」などの掛け声が交わされるが,本レースを見ている人たちは無言であった.
オールジャパンの漕ぎに息を吞み,言葉を失い,圧倒されていた.
エルゴメータだけが,うなり声をあげて,高速に回っていた.



ペースはゆっくりとした漕ぎであったが,力強く長いストローク.
ディスプレイのラップタイムは,常に1分30秒前後を刻んでいた.
鍛え抜かれた肉体から絞り出されるパワーと全く無駄のない動作.
特にフィニッシュが速く,バックスィングをほとんど取らないエイトの漕ぎであった.



瞬く間に2,000mを漕ぎ切っていた.
そして,須田選手,本学学生の順に漕ぎ終わった.
全員の完漕後に,会場から大きな拍手が沸き起こった.



ローイングにおいて最大のコーチング方法は,一流選手の漕ぎをみること.
漕技は完全には言葉に置き換えれない.
本物の漕ぎをみて,自分の頭で考え,自分の漕ぎとして表現する.
大きな背中が語る非言語情報を全身で感じ取る.
ローイングの奥深さを,改めて感じた大会であった.


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