秋田県立大学 生物資源科学部 生物環境科学科
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土壌環境学研究室の研究紹介

☆現在行っている主な研究内容☆


1.気候変化に強い水稲栽培を支える土壌環境の解明

○地球温暖化により、東北地方でも作物の高温障害が心配されています。そこで、土壌環境と作物の関係に着目し、高温条件下においても安定した収量が得られる土壌環境とは何かを明らかにしようとしています。
具体的には、耕起法(不耕起や無代かきでの水稲栽培)やケイ酸資材の施用などの組み合わせを検討し、高温に強い水稲安定生産技術の確立を目指しています。





2.重粘土水田転換畑におけるダイズ安定生産技術の確立

○日本のダイズの大部分は水田転換畑に作付けされていますが、圃場の排水不良や田畑転換継続に伴う地力低下により、その収量は低く推移しています。重粘土水田転換畑にマメ科緑肥植物のヘアリーベッチ(HV)を導入し、土壌の排水性の改善や緑肥効果により後作のダイズを安定的に増収できる技術の確立を目指しています。また、HV植栽にともなう土壌の微生物フローラの変動も調べています。




○ダイズ安定生産のためには、根粒菌の窒素固定を生かすことが重要です。そこで、土壌環境要因が、ダイズの根粒形成および根粒菌の生態に及ぼす影響について検討しています。さらには、転換畑特有の土壌環境に対応し、窒素固定活性が高い優良根粒菌を土壌から分離し、ヘアリーベッチ生育及びダイズ生産に有効利用する研究もしています。





3. 環境負荷を軽減するための適正な土壌管理法の構築

○近年、代かき排水による湖沼の水質汚濁が顕在化するなど、農業活動が環境に負荷を与えることが問題となっています。農耕地から湖沼への環境負荷物質の流出や温室効果ガスであるメタンの大気への放出を抑制する手法として、無代かき栽培などの耕起法に着目し、作物生産を維持しつつ大気・水環境に負荷の少ない環境保全型農業のあり方を模索しています。




4. 水田及び転換畑における窒素動態の解明

○近年の化学肥料価格高騰や畜産の糞尿管理の観点から、農業への有機質資材の積極的な活用が求められています。有機物資材に由来する窒素の動態(作物への吸収や土壌への蓄積など)を調べるため、安定同位体15Nで標識した有機物資材を水田に施用し、その後の動態を追跡しています。




○近年、田畑輪換を長期に継続した圃場において地力消耗に伴うダイズ収量の低下が指摘されており、対策として堆肥などの有機物の積極的な施用が求められています。しかし、施用量の策定に必要なダイズ圃場の窒素収支の測定例は極めて少ないのが現状です。そこで、水収支を詳細に測ることの出来るライシメーター圃場を用い、転換ダイズ畑における窒素収支を測定しています。


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