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長谷川准教授「日本建築学会奨励賞」受賞のお知らせ

 建築環境システム学科建築環境学グループの長谷川兼一准教授が、社団法人・日本建築学会より「2007年日本建築学会奨励賞」を受賞されましたのでお知らせいたします。

■表彰年月日 平成19年4月11日(水)
       ※贈呈式は8月29日(水)

■表彰の名称
   日本建築学会奨励賞

■受賞者  
   長谷川兼一(建築環境システム学科 建築環境学グループ)

■主催団体、発表媒体
   日本建築学会
   HP: http://www.aij.or.jp/jpn/design/2007/prize2007.htm
   学会誌など

■受賞対象論文・内容
 「熱環境から見た冬期の居住性能に関する地域特 性の推移
 −東北地方都市部を対象とした20年間の変化−」

 本論文は,既往の関連研究の中では東北地方6県に着目した調査研究と位置づけられる が,過去20年間の推移を明らかにするという点で,他の研究例にはない特徴を有す る。住宅のエネルギー消費量や室内の温熱環境に関連する居住環境は,省エネルギー 基準の段階的な改訂に伴う断熱材の普及率の上昇や,住まい手の快適性の追求等によ り,大きく変化しているものと推察され,本論文ではその地域特性の推移に着目して いる。得られた知見をまとめると以下のようになる。

・冬季の居住環境には地域性があるものの,その差は曖昧になる傾向 にある.
・特に東北地方北部の各都市の居住環境は札幌に近づきつつある.
・居室の温度が上昇傾向にあるに伴い,東北以南の地域の灯油消費量も上昇している が,札幌の消費量は逆に減少している.

 これらの知見は,住宅の省エネルギー化が十分に普及しているとは言いがたいこと を明示しており,東北地方のような寒冷地では,暖房時の室内環境の質を向上させる とともに,消費エネルギー削減への配慮の重要性を示す説得力のある結果を提示して いる。また,本論文では,室内環境上の問題点として依然として結露の発生率が高い ことを指摘し,論文中に詳細には言及していないが,居住者の健康上の被害が実際に 生じていることを把握している。このような状況は,数年前から欧米諸国にて問題視 されている建物のDampness(湿った状態)問題と関連しており,本論文の成果をもとに して日本における研究を展開するに至っている。

 

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