T-House（1997）

海風とひだまりの住まい（千葉県南房総市千倉町）

T邸は，当初は別荘として，後に定年後の住宅として利用することを意図して計画された。最初の作品であり，いわゆる建築家の作品のように奇抜なデザイン（？）ではないが，可能な限り施主の生活や暮らしについて考え，当方の研究成果（天井高，容積，床レベル差のある空間に関する研究）を踏まえて設計を行っている。幸いなことに，冬あたたかく，夏涼しい住まいが実現でき，大変満足をいただいているようで，ほっとしている。

T邸の話があったのは，1991年頃。まだ建築学科の学生の頃。 すでに千葉県千倉町に土地を購入していた施主から，せっかく建築をやっているのだから設計を頼むよと言われたことがきっかけだった。 その後，大学院進学，及び早稲田大学人間科学研究科博士後期課程進学があったこととなどから， のびのびになっていたが，アイデアは暇をみて練っていた（従って7年かけて設計案は練っている）。

施主がいよいよ定年まで残り3年程度となった1996年頃，それまでずっと社宅住まいの施主としては，定年後ゆっくり過ごすための（はじめての）家を建てなければならないこととなり，同時に博士号を取得し若干暇（？）になったことも重なって，実際に設計，建築が行われた。なお，設計は，基本設計の後，実施設計と施工管理を，知り合いの設計事務所さんに依頼している。

左図はアクソノメトリック図。寝室1，一体型のリビング・ダイニング・キッチン（兼2階への階段スペース），ビルドインガレージ（寝室下部），リビングと続きの和室（兼来客寝室），ロフト，ウォークインクローゼット，風呂，トイレ，等から構成されている。

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