研究内容

非拘束センサによる離床行動予測モニタリングシステムの研究

現在,高齢化により日本では全人口の約4人に1人が65歳以上となっています.介護施設等では人手不足のため,夜間の見回りやケアが手薄になり被介護者の転倒・転落事故が問題となっています.大事には至らないけれどその要因になりうる事例をヒヤリ・ハットといいますが,その多くがベッドから起き上がって離れる時(以下,離床)に起きています.現状では事故の予防策としてさまざまな離床を検知するセンサが使用されていますが,これまでは使用者側の立場が先行したため,クリップセンサなど拘束を伴うものが利用され,被介護者側のQOL(quality of life)は軽視されていました.

そこで本研究では,QOLを重視しつつ,安価であり,被介護者を拘束しないセンサシステムを構築しました.各センサの出力を解析することによって,被介護者がベッドから離れる時を予測することが可能な離床行動モニタリングシステムの開発を目的としています.

本システムは以下の点で従来のセンサより優れているとみなし,実用化に向けて日々研究に精進しています.

1) 本システムは判定方法としてON/OFFの2値で判断するしきい値を必要としない機械学習法を用いているため,判定率が向上しています.

2) 本システムは設置や導入が簡単であり,安価です.

3) 本システムは,「就寝中」,「離床行動中」,「完全離床」の3パターンで被介護者の状態を検知するため,完全離床後の判定の遅れによる事故を防ぐことができます.

 

各センサ

 

2016オープンキャンパス ポスター

2016-open-campus