研究内容

IRカメラと樹脂塗装を組み合わせたインフラの欠陥検査および予防工技術

 現状のインフラ定期点検は、検査員による目視検査と打音検査が行われています.しかし,検査員の技術力の違いにより,検査結果にばらつきが生じます.この課題を解決するために,IRカメラと樹脂塗装を組み合わせた欠陥検査方法と予防工を提案しています.

 また,コンクリート構造物の検査に,IRカメラを用いた非破壊検査の利用が進んでいます.しかし,欠陥の深さを評価する方法は開発されていません.本研究室では,特殊な樹脂を塗布することで,IRカメラで撮影した際の温度変化を大きくする手法を開発しています.これにより従来の方法と比べて,小さな欠陥が計測できます.

 高さ1 mの試験体を製作し,圧縮試験機を用いて欠陥を発生させる実験を行って,本手法の検証を行っています.試験体表面の温度変化をIRカメラを用いて計測し,欠陥が計測可能であるか確認しました.下に示す写真は可視光カメラ(ビデオカメラ)で撮影した写真と,IRカメラで撮影した写真です.この実験では特殊な樹脂の効果を確認するために,上部は樹脂を塗布せず,下部のみに樹脂を塗布しています.試験終了時の写真を見ると,赤の矢印で示した部分が一番温度差が発生しており,樹脂の効果を確認できました.

IRカメラ_RC写真

試験体の可視光とIRカメラ写真および荷重とストロークの時間変化

詳細:
N. Shimoi, Y. Yamauchi, K. Nakasho, “Preventive Work and Health Monitoring for Technology by Cracks of Concrete Surface Using Coating Type Resin Sensor“, International Journal of Sensors and Sensor Networks, vol. 11, no. 1, pp. 1–10, 2023.