研究内容

独居高齢者生活モニタリングシステムの研究

我が国は,高齢者人口が全体の14%を越えた高齢化社会であり,さらに2015年には4人に1人が65歳以上の高齢者になることが予想されている.なかでも秋田県は特に高齢化が進み,同時期には3人に1人が高齢者となる状況である.このような理由から,先進国の共通課題として高齢化・少子化に伴う老人介護問題が議論され,介護ロボットの開発やICT技術を用いた見守りシステムの必要性が問われている.現実問題として,1人暮らしの住宅において老人が孤独死した後,何日も放置されている等の胸の痛む報道が多く聞かれる状況が発生している.このように人命に関わる社会問題を解決するために,ロボット技術や高度情報処理技術を有効に活用したITCによる高齢者の生活モニタリングシステムの構築を提案する.

本研究の発展により,最先端のセンサ技術や電子技術を用いた地域産業の発展と人材教育が可能となり,大きな地域貢献が達成される.

なお、本研究開発は、総務省 戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE) の支援により実施されています。

研究開発の概要

詳細はこちら→加速度計とピエゾ振動センサを用いた臨床予測の研究

異常時の緊急通報ネットワークの構築(安全・安心技術)

在宅高齢者見守りネットワーク

 

QOL重視の非拘束によるセンサの開発とその認識技術の構築

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生活の一部として常用する家具や家電製品にピエゾ素子や加速度計等の簡易受動型センサを埋め込むことにより,独居高齢者の日常生活に負担にならないように受動的に見守るシステムを開発しました.各種センサから得られた信号を簡易ロボット技術を使用して解析し,高齢者の在宅および外出を自律的に判断するQOLを重視した見守りセンサシステムの開発を実施しています.

 

鍵のタグについているセンサによって,見守り対象者が在宅中か外出中かを判定します.

期待される研究開発成果及びその社会的意義

我が国は65歳以上の高齢者が総人口の25%を占める超高齢社会に突入しています.また,高齢者世帯数の25.6%に相当する573万世帯は単独世帯であり,一人暮らしの老年生活を営んでいます.本研究成果は高齢者のQOLを重視した生活モニタリングにおける人命救助や地域産業の育成(特区:秋田元気創造イノベーション推進地域)への貢献が可能です.

研究開発の進捗状況と今後の予定

地域の安全・安心のためのQOLを重視したセンサシステムの構築

枕センサの小型化と省エネタイプの装置の作成とベッドモニタリング用のセンサと複合計測技術を基盤としたソフト開発を実施しました.

家庭内センサネットワークの構築(安全・安心技術)

宅内センサネットワ-クロボット(MaMoRu-Kun)の制御ソフトウェアの開発やセンサデータ解析と可視化サーバへのデータ送出制御ソフトウェアを開発しました.

地域老人見守りシステムのイメージ