研究内容

 本研究では安全のために,大震災後や経年変化による橋梁や構造物等の健全性を知る,実用的な計測技術の必要性を重視し,支柱や梁等の床版における撓みや振動による鉛直振動波形から,固有振動数を簡単に計測することが可能な簡易センサシステムの開発を実施した.本センサは,従来の計測で使用されている高額で高精度レベルのヘルスモニタリング用センサとは異なる,簡易的な手法により固有振動数等を計測することが可能であるため,安価で実用的なシステム構成とセンサ敷設が簡単であることを特徴としている.また,ピエゾ効果による発電を利用しているので,計測時におけるセンサ用電源を必要としない利便性もある.センサは安価なため,橋梁や橋脚の振動による変形部位等に複数敷設することが可能となり,従来の「点」における限定された計測結果の解析から,「面」における解析へと測定部位を広げることにより,精度を向上させることが可能である.安価な複数のセンサによる測定は,センサ不良への対応や計測データの信頼性向上に寄与し,統計手法による評価にも対応できると考える.


老朽化した橋のモニタリング


(1)センサ設置状況No.1~4


(2)センサ設置状況No.5, 6


(3)センサ設置状況No.7


(4)通信機ユニット


(5)レーザーセンサ


(6)実用化されたピエゾ振動センサ