アカフジツボを例にとって、フジツボの生活環を説明します。
*フジツボは雌雄同体ですが、通常、近接した個体(ペニスの届く個体)と交尾し、受精します。(ムービー交尾)
*受精卵は体腔内で発生し、ノープリウス幼生になると孵化します。
*ノープリウス幼生は動物プランクトンとして、海中を漂いながら餌を取りながら大きくなります。
*フジツボは節足動物甲殻類に属し、外骨格を持つため、大きくなるためには必然的に脱皮が必要です。ノープリウス幼生は6回脱皮をおこない、海を漂い、生活域を広ます。
ノープリウス幼生は6回目の脱皮と同時に変態し、キプリス幼生となります。キプリス幼生が我々の研究対象です。
*キプリス幼生は餌をとらず、付着と親への脱皮、変態のためだけにに特化し
た特殊な幼生です。 キプリス幼生を生活環の中に持つことがフジツボという属を決定つけます。
*キプリス幼生が付着の際に放出する接着剤をキプリスセメント、または幼生セメントといいます。我々はこの幼生セメントの放出機構・セメントの素材としての面白さを研究しています。
*付着・変態した後、フジツボは脱皮して、幼体となります。
*幼体は見慣れたいわゆる富士山型のフジツボに成長していきます。

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フジツボキプリス幼生のセメント
2) 生活環
ノープリウス幼生
キプリス幼生
幼体
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