intelligent frameworkの思想

フレームワークの優劣とはどんなことか、何がどう違うのか

妥当なフレームワークとそうでないフレームワーク

フレームワークの出来には大きな違いがある。
Malleus Maleficarum 魔女に与える鉄槌の表紙(部分) たとえば宗教や政治の都合から作られたものは、
科学の進歩の妨げとなる。
逆に、完璧なフレームワークは存在しない。
どんな理論も、現実をよりシンプルに表現するものである。
言いかえると、現実はいつも理論より複雑である。

どのフレームワークも、宗教・政治的原理主義と完璧の間のどこかにある。
しかしその優劣を定義するのは簡単ではなく、数値化が困難だ。
たぶん科学者によって、価値観が異なるだろう。
妙な話だが、フレームワークを考えるためにはフレームワークが必要なのだ。
ややこしい。

とはいえ、よく認められている必須項目は、こんな性質ないし姿勢だ。

William of Ockhamの自画像?
オッカムの剃刀
理論はなるべくシンプルにすること、不要な仮定をつくらないこと。
検証可能性の維持
理論をつくる際にはどうしてもいくつかの仮定をするものだ。
しかしその仮定が妥当なものかどうかを検証可能にしておくこと。
なるべく早い時期にその検証をおこなうこと。
客観性の維持
理論から得られる結論に主観がまぎれこまないように保つこと。
データの恣意的な取り扱いの禁止
客観性を維持するためにも。

より良いフレームワークを構築することは、自然科学の重要な目標である。
この優劣を考えるのはややこしい作業だけど、それを放棄してしまうと
科学が進むべき道がわからなくなってしまう。

この優劣を問わない姿勢が「相対主義」なのだと思う。
それは優しい姿勢だが、科学に求められるものとは異なる。