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SXL1994

1.SXL住宅設計コンペ

「チャールズダーウィンの家」葉祥栄賞(建築家賞)(1994)

永井牧と共同(当時:東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻)

東京理科大学大学院理工学研究科の頃の作品です。住宅メーカSXL(エスバイエル)主催の住宅設計コンペで,毎回「○○の家」というテーマで出題されていました(2004年で終了?)。

この当時は,最優秀賞1点,優秀賞2点,建築家賞5点,佳作数点という構成でしたが,審査員である建築家の葉先生には「楽観的だがテーマの核心的な点をついている」というような(?)コメントをいただいたのを記憶しています。作品はあまり実際に建つ建物を意識したものになっていなかったせいでしょうか,他の審査員からのコメントがほとんどありませんでしたが,一人の建築家に十分認めていただけたのが何よりもうれしかったことを覚えています。

設計プロセスとしては,まず,二人で手分けしてダーウィンや進化論,生命科学などに関する本を読みあさりました。今のようにインターネットも使えない時でしたので,主に図書館や本屋さんが頼りです。次に,永井君が漠然とした形のイメージを早い段階で出してきました(四角いガラスの箱に球が浮いている)。それに対応する形で,シェルターとしての住まいは,環境を安定させる方向に向かっており,進化を遅らせている(「住まいと快適な生活を手に入れて人類は進化を放棄した」というややセンセーショナルな印象を与えるキーワード)というアイデアを主に僕が出し,さらにそれを二人で議論して固めていったと記憶しています。コラボレーションとしては相互補完がうまくいった成功例ではないでしょうか。

この時はまだCGやCADは建設会社でも専門部署が担当しており,現在のように一般化していなかったのですが,このコンペではコンピュータだけでどこまでやれるか,ということもチャレンジの一つでした。実際作品が入賞することができ,研究室の非常勤の建築家の先生にも,当時驚きをもってご覧いただけたように記憶しています。水に浮いた空間を表現するにはCGが最適であるということで,主にモデリングとレンダリングを,当方が担当し,ほぼイメージ通りのものを仕上げることができました。当時はMiniCad+(現在のVectorWorks)にStrataVision3DというCGソフトの組み合わせで,コンピュータは20Mのメモリーを積んだMacintosh IIcxとQuadra700(←今も使っていたらすごい!もう骨董品?)でした。印刷もA3のカラーレーザー出力が1000円程度,A1出力は,対応可能なサービスセンターが都内でも一部しかなく,1枚数万円という時代で,あきらめました。結局A3で6枚(マージンの分欠けるのでA3×4枚ではダメ)印刷して,ぴったり貼り合わせて仕上げています。大学の研究室やCAD設備のA1インクジェットがある時代が来るとは,その当時は夢にも思っていませんでした。左上のパースの部分の計算には1日以上かかりましたが,今同じデータを計算しても5分で終わるのではないかと思います。設備にも環境にもすごく恵まれた時代になったので,その分みんながんばって作品に取り組んで欲しいものです。 ^前にもどる

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